2021/01/02
麒麟麦酒を中核とするキリングループの持ち株会社であるキリンホールディングスの執行役員を56歳にして早期退職された方がいます。
栗原邦夫さんはおよそ2000万円という年収に固執することなく、今は長崎国際大学の「野球部総監督」としてご自身の夢だった人生を過ごしているのです。
2005年、47歳の時。ふとしたことから、日経新聞の名物コラム「私の履歴書」の「自分版を作ろう!」と真新しいノートにそれまでの人生を綴ったことがきっかけとなっているのだとか。
兄が通った慶應に慣れ親しみ、いつか神宮の舞台に立ちたい!と中等部から大学までを慶應野球部で過ごし、4年時にはセカンドのレギュラーとして活躍したのです。
そして、家族が町工場で働いていたこともあり「モノづくりをする会社が良いな」とキリンビールを第一希望として就活をしたのだそうです。採用試験の前日には神宮で初ホームランを打ち、面接では「ベースを周る時に御社の看板が見えたので運命を感じた!」などと話し、入社に至ったのだとか。
執行役員にまで出世するほど順調なビジネス人生を手放すには、相当な覚悟があったことかと思いますが「自分版の履歴書」と同時に作成した「家族年表」にて、家族とのライフイベントを見える化したことで、子育てがいつ終わるのか、教育費はいくら必要か、などが具体的に把握でき、「退職後はスポーツを通して子供たちの成長を応援したい」という夢が明確に描け、そして10年がかりでの56歳の時に早期退職を選択したのだそうです。
履歴書作成から思い出した大好きな野球と子供の育成に携われるという自分の夢にチャレンジする!とても素敵な人生ですね。