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岩田 徹

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第182回 就職活動

2024/06/07

2025卒の新卒大学生の採用活動における選考が6月1日に解禁されました。
と同時に発表された内定率は70%を超える数値。
選考解禁と同時に内定が出るはずもなく、すでに多くの企業で来年入社の新卒者の確保が進んでいます。
ここ数年、特に知名度や企業規模で劣る中小企業の新卒採用の難易度は高まっています。
採用担当者にかかる負担も大きく、
費用も時間も労力もかける割に得られる成果が低いという状況が生まれています。
さらに大手企業を中心とした賃上げの流れに追随できない中小企業は、新卒での人材確保にかなり苦戦しています。

企業側の視点で苦戦をしていると冒頭で伝えましたが、
一方で春から夏にかけて必死に就職活動をする学生もいます。
それは各分野でプロを目指す選手たち。
4年生の春シーズンでどこまでプロにアピールできるのか。
リーグ戦でそれまで培った力と、前年からの成長度をアピールし、狭き門であるプロへの道を切り拓こうとしています。
受け入れるプロ側もリーグ戦にスカウトを派遣し、自チームの強化ポイントに合致する選手の発掘、見極めに目を凝らしています。
スカウトの注目が集まる選手は、いつも以上にプレッシャーを浴び、どうしても力んでしまう選手も見られます。

私が個人的に注目したのは野球の分野で、東京六大学リーグでプレーする、早稲田大学の遊撃手、山縣選手です。
監督の小宮山さんはご存知の方も多いかもしれませんが、元プロ野球の投手。
プロ基準を知っている監督曰く、打力は到底プロ基準に達していない選手とのこと。
ただ山縣選手の大きな強みは守備力。
2年生から名門大学でレギュラーを獲得した守備は、相手を絶望させるほど。
これは絶対に取れない、取れてもアウトにすることはできない、というような打球を華麗に捌きアウトにする。
レベルの高い六大学でも群を抜いて上手い選手です。

一つの分野で圧倒的に秀でると注目されますが、一つだけでは通用しないのがプロの世界。
課題とされた打撃に関して、山縣選手は春のリーグ戦で打率2位、犠牲打も多く、2番打者としてチームに7季ぶりの優勝をもたらしました。
ここから全国大会、そして夏を越えて秋のリーグ戦とアピールする場は限られますが、
こういう突出した守備力を持つ選手をが指名されるのか、山縣選手の就職活動が成功するのか、秋のドラフトまで注目したいと思います。