プロ野球では交流戦が始まりました。
普段対戦したい他のリーグとの交流試合。
序盤のリーグでの戦いに苦戦して沈んでいたチームが、
他リーグとの交流戦で息を吹き返したり、
逆にリーグ戦で好調だったチームが、交流戦で調子を落としたりするチームが出るなど、
観る側も新たな気持ちで観戦できるいい仕組みだと思います。
その交流戦。
5月29日に甲子園球場で開催された阪神VS日本ハム。
ここで試合結果より注目されたのは、試合前のメンバー表交換でした。
試合前のメンバー交換は両監督がホームベース上で行いますが、
3塁側の日本ハムのベンチから、阪神のユニフォームを着た新庄監督が登場しました。
阪神に在籍時代の「63」の背番号を付けた新庄監督の登場に、
スタンドに集まった観客も大歓声。
阪神の岡田監督も笑顔を見せながらメンバー票を交換し握手しました。
プロ野球全体を盛り上げること、そして、
セリーグと比べ人気が劣るパリーグに注目を集めること。
勝負の世界で目の前の試合に勝負にこだわるだけではなく、
観る人を楽しませるのが本来のエンターテイメント。
新庄監督はファンを喜ばせるサプライズを、これでもか、と仕掛けてくる天才です。
試合そのものではなく、試合前のメンバー表交換に注目が集まることなど、
これまでのプロ野球の歴史上、なかったのではないでしょうか。
プロ野球という歴史あるエンターテイメントで、市場はある程度確立されています。
とは言え、この情報化社会において、エンターテイメントの幅も広がり、
スポーツだけでも様々な競技のプロスポーツがあります。
またスポーツ以外にも人々が楽しめる方法はたくさんあります。
約3時間の試合を年間135試合。
これにどれだけのお客様を集めることができるのか。
ファンがあってこそ成り立つエンターテイメントの世界で、
新庄監督は自チームのことだけを考えるのではなく、
プロ野球全体を考え、注目される仕掛け作りを数々行っています。
自社はお客様を喜ばせているだろうか。
お客様ではなくファンというレベルにまで昇華できているだろうか。
他に選択肢がないからお金を払う、という消極的選択ではなく、
あなたにお願いしたい、あなたから買いたい、と熱狂的に指名してもらえる、
そんな仕事をしていきたいと改めて感じた出来事でした。