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岩田 徹

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第180回 先人が拓いた道

2024/05/24

メジャーリーグ、サンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手。
つい先日、日米通算200勝を達成し、野球史の1ページにさらに名前を刻みました。
日本で93勝、アメリカで107勝。
数字だけ見てもその凄さがわかりますが、ダルビッシュ投手は現在37歳。
それでも衰えぬスピードと、歳を重ねるごとに凄みを増す変化球。
食べ物や飲み物、睡眠時間や生活リズム。
投手として最高のボールを投げ続けるという大前提で全てを組み立てる、
まさにプロ中のプロと言うべき存在です。
そのダルビッシュ投手。
日本を離れメジャーリーグに移籍する際に発した、
「僕は別に自分の夢のために行くのではない。」
という言葉が今になっては大きな意味を示してます。

日本ハムで若き大黒柱、大エースとして君臨し、
通算93勝という実績を引っ提げてアメリカへ。
そしてアメリカの初年度から16勝というとんでもない実績を残し、
そこから積み重ねた勝利は107。
個人での成績を上げることはもちろん、日本人選手の評価を高めたい、
というのがダルビッシュ投手の根幹にある想い。
かつて野茂投手が切り拓いたメジャーへの道。
そしてダルビッシュ投手が堂々の成績を積み重ねた後、
田中投手、前田投手、そして大谷選手と、メジャーのトップで活躍する後輩が続き、
今年は山本投手、今永投手が超大型の契約を勝ち取り、
その評価に違わぬ成績を残しています。

日本で好成績を残し続けた投手はメジャーでも活躍する。
確実に即戦力となりうる人材を日本から獲得できる。
そんな確信が今、メジャーリーグのスカウトにもあるでしょう。
また海を渡る選手にも、先人が切り拓いたからこそ、日本でどのように努力し力をつけ、
メジャーでどう実績を積み重ねるか、見えているものもあると思います。

先人が切り拓いた道を後輩が歩み、変化する時代の中でその後輩が新たな道を作る。
代々、脈々と受け継がれるその文化、伝統が、日本野球をさらに強くすると思います。
未知を拓いて後の人材が活躍する場を提供し未来への礎を築く。
会社、組織においても先人の知恵を活かしながら、
時代に合わせて変化させ次代へと受け継ぐ。
歴史や伝統で強い組織には、
その先頭を切り拓いた立派な先輩がいることを忘れてはいけませんね。