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高松 秀樹

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第145回:ブランドに込められた思い

2023/09/23

「すべての女性たちへ美しさと、ときめきを」

そんな「ブランドコンセプト」を掲げているジュエリーブランドがあります。

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それは、地球上のあらゆる生命に潤いをもたらしています。

「水のようでありたい」 

それが私たちのモノづくりの原点になっています。

「◯◯」それは氷が張った水面の底の温度を表します。唯一魚が生息できる。いわば「安息の場」であり、きびしい環境にあっての潤いそのものを意味します。1972年、ブランド「◯◯」の誕生以来、私たちは既存の価値に捉われることなく、常に新しさと潤いをもたらす商品の提案を続けています。

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その「ブランドストーリー」は、上記のように語られているのですが、

「『◯◯』って、どんなブランドか、おわかりになりますか?」

正解は、大手宝飾ブランド会社「エフ・ディ・シィ・プロダクツ」が、展開している「4℃」。

「中心価格帯」は「2~5万円程度」で、若年層をメインターゲットとして展開していますが、SNSなどでは、若年層からの「批判的な意見も目立つブランド」としても知られています。

実際に、「4℃ プレゼント」と検索してみますと「嬉しくない」「別れる」「いらない」といった言葉が「候補キーワード」にずらりと並び、また、プレゼントで4℃を贈られた女性が苦言を呈するような「投稿」も散見され、web上には、一部からの「強烈なマイナスイメージ」が存在していることが伺えます。

しかしながら、こうしたイメージとは異なり、2023年2月期のジュエリー事業の業績は「増収増益」のようで、売上高は「185億8700万円(前期比0.5%増)」、営業利益は「13億5600万円(同13.3%増)」だったと好業績を発表しているのです。

そんな「4℃」が、9月8日から「原宿キャットストリート」に、期間限定の「匿名宝飾店」を出店したのです。

大手ブランドが、そのブランド名を隠してまで出店したその背景には、SNSなどでの「強烈な批判」を払拭する狙いもあったようで、「(4℃のジュエリーを)触ったことがない方たちに、触ってみてもらいたい。その上で何を言われてもそれは仕方がないことなので、誤解を解きたいなっていう思いもありました」と瀧口社長は語っています。

およそ2週間後の9月20日に、その正体が「4℃」であったことを発表したのですが、

・ブランドとか値段に気を取られることなく、自分の感性のままに見ることが出来てなかなかに楽しかった

・気に入ったものを見つけたからクリスマスに買おうかな

・応援したいブランドになった

などの、好意的な意見がその後のSNSでは見受けられているとのこと。

また、

会場では、来場者が退出する際にブランド名を明かしたうえでの。アンケートを実施していたのですが、「ブランドイメージが(好意的に)変わった」という方が「83%」、「素敵!」と言っていただく方が「9割以上」いたようで、瀧口社長にとっても「自信になった」ようです。

50年以上の歴史を積み重ねてきた人気有名ブランドであっても、「賛否両論」、「多様な感想」をぶつけられるのは、当たり前。

それでも、「水は自由奔放に、その姿を変えていきます」とブランドストーリーでも語っているように、「既存の価値に捉われることなく」新しい取り組みを続けています。

その姿勢、見習いたいですね。

ちなみに、私にとっての「4℃」は、幼馴染の元カノさんが、新卒入社し、頑張っていたこともあり、「仲睦まじい二人の笑顔」を思い出せてくれる、じんわりとしたあたたかいイメージです。

そんな二人は、水のように自由奔放に、その姿を変えて、それぞれの道を楽しそうに進んでいるようなのです。