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益田 和久

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第83回 なくなるもの 変わりゆくもの

2022/10/06

コロナ禍も落ち着いてきたこともあり対面研修が復活してきました。
必然的に出張案件も増えてきたので移動時間も多くなりました。
移動時間は貴重な時間です。

首都圏移動(近距離)の場合は新聞や書籍、雑誌を読むことが多いですが、新幹線や飛行機の場合だと違います。
乗り物独特の気圧の関係のせいか、文字を読んでいると気分が優れなくなるのです。
ましてやPCで仕事をするのは更に難しいです。
何度かそういう思いをしたこともあり、すっかりトラウマになっているのでしょうが、よくぞそんなフィジカルで20年近くも年間100泊出張をこなしてきたと自分でも驚きます(苦笑)

そういったこともあり、長距離移動のときには動画視聴をしていることが多いです。
ここ数年、特にコロナ禍以降で動画コンテンツは一気に増えたので、選択肢には困りませんよね。
最近では地上波テレビの見逃し番組アプリをよく使っています。
最近では見逃し番組だけでなく、リアルタイム視聴もできるようになりました。
私的にはすごく使い勝手がいいような気がしています。

そんな状況でふと思ったことがありました。
コロナ禍前ですが、移動中や事務所でテレビが視たいときを想定して、スマホに装着して使うワンセグアンテナの購入を検討していたことがありました。
Amazonのほしいものリストにもいれていたくらいなのに、すっかりその存在を忘れていました。
必要性がなくなったからだと思います。
コロナで在宅が増えた、動画コンテンツが増えた、テレビの見逃し番組が気軽に視られるようになった、ましてやリアルタイム視聴ができるようになれば、(あくまで私見ですが)そのニーズはほとんどなくなるのではないでしょうか。
時代の流れとともにニーズがなくなるものはこれまでもいくつもありました。

PCとインクジェットプリンターが普及したことで、年賀状や暑中見舞いを自宅で作成、印刷する家庭が増えました。
それによって痛手を受けたのは“街の印刷屋さん”だったと思います。
併せて写真の現像も自宅でやるようになりました。
最近はデジタル化により写真の現像はあまりやらなくなったとはいえ、“街の写真屋さん”も影響を受けたのは確かです。
街の印刷屋さんも写真屋さんも数は減りましたが、ターゲットやンテンツを変えながら地道に生き残っているところもあります。
街の印刷屋さんは、断捨離を兼ねて自宅にある本の自炊(デジタル化)を提供しています。
街の写真屋さんは、アルバム保存の写真やビデオテープ保存の“想い出”をデジタル変換するサービスを提供しています。
どちらもやろうと思えば自分でもできなくはない作業ですが、手間を考えると断然頼んだ方がいいものばかりです。

また昨今のスマホの普及で最も影響を受けているのは郵便局ではないでしょうか。
その郵便局も、デジタル対応の年賀状や暑中見舞いをリリースして、“郵便局離れ”を防いでいます。
写真や動画を撮影する、年賀状や暑中見舞いを送るといった行為そのものがなくなるわけではないので、それをどのようなカタチで商売にしていくのか、事業者側が常にアップデートしていかないといけません。

コロナ禍になって2年半、デジタル化の流れは更に加速していると感じています。
私たちの人材教育業界でも、オンラインやオンデマンドのコンテンツが増えてきて「講師派遣をする研修」の意義も見直す場面が増えてきました。
弊社もビジネスパートナーと協業しながら、様々な形式のコンテンツ作成が急務になっています。
デジタル社会ですから、コンピューターのように、OSのバージョンアップやアプリのアップデートを弛みなくやっていくことが不可欠だと改めて感じる今日この頃です。