株式会社サイバーテック 代表取締役社長 橋元 賢次様(其の3)
今回の対談は、株式会社サイバーテック代表取締役社長 橋元 賢次様にご協力頂きました。
株式会社サイバーテック様は「ITによる社会貢献」を理念に、マニュアルDX事業、Web CMS事業、開発・制作支援事業を展開されております。
今回は橋元様が描く今後のビジョンについてお話を伺います。
金山:先週は株式会社サイバーテック様の創業から現在までの歩みについて伺いましたが、今後描いている夢やビジョンなどあればお話し頂けますでしょうか。
AIとの付き合い方とビジネスへの応用
ビジネスの観点から言うと、避けて通れないテーマの一つが「AIとの関わり方」です。
第三次AIブームが始まった頃、ちょうどコロナの少し前だったかと思いますが、その時期にいろいろとトライアルを重ね、ある程度キャッチアップすることができました。
当初は「AIの世界にどっぷり入り込もう」と思っていたのですが、現在のスタンスは少し異なります。
今は一歩、二歩引いて「AI技術をどう活用するか」に焦点を当てています。
例えば、マニュアル制作の分野では、機械翻訳やAI翻訳の精度が飛躍的に向上しており、弊社製品では外部サービスを活用して効率的にマニュアルの多言語化ができるようになっています。
また、Webマーケティングの分野では、現在AIを活用したツールのプロトタイプを開発中であり、今後営業展開も視野に入れています。
ただし、AIには「ハルシネーション(事実と異なる出力)」という課題もあり、それが許容される活用方法を見極めながら進めているところです。
今後も、AI技術の活用は継続して取り組んでいきたい分野の一つです。
趣味と仕事の間にある将棋との再会
そして、もう一つの話は仕事半分・趣味半分といったテーマです。
私は昔から凝り性なところがありまして、プログラミングもその一つですが、もう一つ夢中になっていたのが「将棋」でした。
小学校6年から中学3年までかなり本気で取り組んでおり、中3でアマチュアの五段までいきました。
ただ、プロを目指すにはスタートが遅すぎたんです。
プロの世界では、小4や小5でそのレベルに達していないと入口としては厳しいとされており、先生方との相談の末、断念しました。
それから長い間、将棋からは離れていたのですが、最近の藤井聡太さんの活躍や、将棋界でのAI活用に触発され、「またやってみようかな」と思うようになりました。
将棋AIの指し手は人間の思考と微妙に異なり、それが非常に面白く感じられたんです。
社内文化としての「将棋部」設立
そんな思いもあって、会社の25周年を機に「将棋部」を立ち上げました。
しばらく将棋をしていなかった私にとっても、リハビリを兼ねた良い機会でしたし、社内の交流にもつながっています。
将棋を通じた社員同士のつながりは、会社の活性化にも貢献していると感じています。
将来は、「この会社には将棋部があるから入りたい」と思ってくれるような人材が現れることを目指しています。
中小企業では特に、会社のカルチャーとの相性が大切ですから、「この指とまれ」的に、興味ある人が自然と集まってくれるような場になればと考えています。
現在は、すでに在籍していた社員たちと私だけで活動していますが、団体戦への参加を目標に部員で定期的に顧問の先生が運営する将棋道場に通っており、メンバーの中には「まずは初段を目指そう!」というレベル感で進めている者もおります。
当社はIT企業として、専門性の高い製品やサービスを提供することを目指しています。
そのためにも、「論理的思考で行動する」といった行動指針を大事にしており、将棋はその思考力を磨くのにぴったりな存在です。
将棋はまさに論理思考の塊ですし、ビジネススキルの向上にもつながると考えています。
今後も、将棋を一つの社内文化として育てていきたいと思っています。
金山:IT企業と将棋というのはとても相性がよさそうですね。
AIを活用した今後の取り組みにも注目したいと思います。
この度は対談へのご協力、ありがとうございました。
これから益々のご発展をお祈り申し上げます。
今週は橋元様に今後のビジョンについてお話しを伺いました。
次週は最後の結びとして、私が今回の対談から得た学びと気づきをお届けします。