第211回 やり方ばかり追いかけても、組織は変わらない
2025/05/19
「うちの組織をもっと良くしたい」
「チームの関係性をもっと円滑にしたい」
「自発的に動ける社員を増やしたい」
そんな想いから、リーダー研修、コミュニケーション研修、チームビルディングと、様々な取り組みを行っている企業は少なくありません。
私自身、組織づくりに関わる立場として、そういったご相談を受ける機会も多くあります。
でも、あるときから、こんな問いが頭を離れなくなりました。
「やり方」をいくら整えても、なぜうまくいかないのか?
「やり方」だけでは変わらない理由
もちろん、やり方を整えることは大事です。
業務フローを見直したり、伝え方のコツを学んだり、仕組みを入れたり。
すべて意味があります。
ですが、それだけで変わるかというと…、実は、変わらないのです。
なぜなら、どれだけやり方を学んでも、それを「実行する人」の内側が変わっていなければ、表面だけの改善に留まるから。
・「伝え方」を学んだけれど、本音は言えない
・「1on1」を導入したけれど、話す中身が薄い
・「チームビルディング」をやっても、日常に戻ればギスギス
こんなケース、思い当たる方も多いのではないでしょうか?
すべての出発点は、「私はどうしたいのか?」
では、何が変化の本当の入り口なのか?
それは、「やり方」ではなく、「あり方」です。
もっと言えば、「私はどうしたいのか?」という問い。
一人ひとりの「本音」と「意思」がなければ、どんな優れたやり方も空回りしてしまいます。
たとえば、Aさんは「もっと自由に働きたい」と思っているかもしれないし、Bさんは「安定した環境で安心して働きたい」と思っているかもしれません。
その価値観が全く違うまま、同じやり方を押し付けても、誰かが我慢するだけになってしまう。
だからこそ、一人ひとりがまず自分自身と対話することが必要なのです。
「私は、本当はどうしたいんだろう?」
「私は、どういう人でありたいんだろう?」
この問いに向き合わずに、組織の変化はあり得ません。
自己対話が、対人対話の質を変える
面白いことに、自己対話が深まると、他者との対話の質も劇的に変わります。
自分のことをよくわかっている人は、相手に対しても「わかろう」とする力が高い。
自分の内側とつながっている人は、相手の感情や価値観の背景にも自然と寄り添えるようになる。
そうすると、たとえ価値観がまったく違う相手とも、
・対立ではなく「対話」ができる
・正解を押し付けるのではなく、「尊重」し合える
・妥協ではなく「創造的な関係」が生まれる
というように、組織の中にあたたかくて本質的な関係性が育っていくのです。
どんなに仕組みを整えても、内側なしでは機能しない
仕組みも制度もマニュアルも、もちろん必要です。
でも、それらは「土台」があって初めて機能する。
その土台とは何か?
一人ひとりの「私はどうしたいのか?」という意思。
そしてその意思を持った人同士の、本質的な対話。
どんなにやり方を整えても、そこが欠けていれば、どこかでギクシャクしてしまうし、誰かが置き去りになる。
「自分と向き合う」から始めよう!
「そんなの、めんどくさい」
「忙しくてそんな余裕ない」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、だからこそ今、この問いを大切にしたいのです。
「私は、どうしたい?」
「私は、どんな自分でありたい?」
この問いと向き合うことは、甘えでも、遠回りでもありません。
むしろ、変化を最速で起こす、一番の近道。
「やり方」を探す前に、自分の「あり方」と向き合う。
それが、すべての出発点だと私は実感しています。
※社員が喜んで働いちゃう!
↓自走組織の作り方公開↓
(申込不要で、すぐ再生できます)
※『プラウド出版』出版後にビジネスが飛躍する!
↓出版の裏側を全て公開↓
(申込不要で、すぐ再生できます)