企業において「人材を採用したいけど、すぐには戦力にならないし…」というのが、会社にとっては大きな悩みのひとつだったりします。
そこはやはり、長期的な視点で見れるかどうかになってきます。
予防人事的な考え方でいくなら先々のことを考えて、早めに手を打つことが重要です。
人材採用にはキャリア採用と新卒採用がありますが、創業期だったり、成長期初期のころは、キャリア採用を行うことが多いでしょう。
ただ、キャリア採用中心から新卒採用中心へ変わっていく時期がきます。
その時、新卒採用をしたことがない会社からすると「ど素人で何の経験もない人を雇ったりしたら、育てるのが大変でしょ?」という気持ちがでたりするものです。
新卒採用をするとなれば、人材を雇うだけではなくて育てる仕組みが必要になります。
会社を大きくしたいと思ったら、教育環境はいずれ必要になるわけで「それなら早目に」というのが予防人事です。
では、新卒を採用するメリットとは何でしょうか?
最大のメリットは、社長が思うような組織づくりができること。
新卒社員は、もともと会社の方針やビジョンに賛同して入ってきていることが多く、先入観が少ないので、だいたいは会社のやり方を前向きに捉えて行動に移してくれます。
キャリアの人はその点、前の会社のやり方が潜在意識の中にあるので、それが行動の邪魔をすることがあります。
会社としては、
「研修にお金をかけないように」
「手間をかけないように」
ということを考えて、即戦力になるキャリア採用をしようという会社も多いと思います。
確かに、キャリア採用をする上でのメリットには違いありませんが、採用する側としては注意する点があります。
それは、応募者が今までいた環境です。
例えば、責任者としてそれなりの人を採用したいと思ったら、ただ単に応募者の肩書きや経歴だけを見るのではなく、その人がどういう環境で仕事をしてきたのかまで考慮することです。
以前、50代の大手企業にいた人を面接したことがあります。
経歴的には問題ありませんでした。
しかし、人材採用をする会社はベンチャー企業だったのですが、応募者にはベンチャー気質が全くない。
大手企業にいたということは、会社には資本力があって何でも揃っていることが多く、そうなると、ベンチャー企業のようなゼロから仕事を作っていく会社に来ても、対応できないことがあるのです。
このように、人材採用と一口に言っても、キャリア採用と新卒採用には、それぞれのメリットとデメリットがあります。
それらを比較し考慮して、今、会社に必要なのはどちらの人材なのかを見極めた上で採用計画を立てるのが、採用を成功させる秘訣になります。