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長谷川 満

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第208回 経営において「人材」の課題を先送りすることの罪悪

2024/12/04

経営者が、経営者として日々の業務に追われる中で、
「人材」に関する課題を
後回しにしてしまうことは珍しくありません。


目の前の数字や緊急の業務に集中し、
採用、育成、評価制度の見直しといった
「人材」に関する重要な取り組みを先送りにする。


その結果、どうなるか。


実はこの先送りが、
企業の未来に大きな代償をもたらすことを、
経営者はあまり認識していないものです。


◆人材課題を先送りすることで生じるリスク

第一に、競争力の低下です。

事業は人で成り立っています。

特に中小企業においては、
限られたリソースを最大限に活用する必要があり、
一人ひとりのパフォーマンスが
会社の成否を大きく左右します。

しかし、人材の採用や育成を怠ると、
優秀な人材を確保できず、
組織の生産性が低下してしまいます。

さらに、既存社員が過剰な負担を抱えることで、
モチベーションが下がり、
結果として離職率が上昇するリスクも高まります。


第二に、組織の柔軟性が失われます。

市場環境や顧客ニーズが急速に変化する中で、
対応力のある組織を作るには、
社員のスキル向上や適材適所の配置が不可欠です。

人材の育成や配置計画を怠ると、
変化に対応できない硬直的な組織となり、
新たなチャンスを逃してしまう可能性があります。


◆「先送り」の背景にある心理

人材課題を先送りにしてしまう背景には、
目に見えにくい成果への不安や、
短期的な利益を優先する心理が隠れています。

「人材育成に投資しても、結果が出るまでに時間がかかる」
「現場の業務が忙しくて手を付けられない」
これらは多くの経営者が抱える悩みです。

しかし、この心理こそが、
企業の成長を止める「罪悪」の根源でもあります。


◆今こそ向き合うべき理由

企業が長期的に成長し続けるためには、
「人材」への投資を避けて通ることはできません。

ここで言う投資とは、
単なる金銭的なものだけでなく、
経営者自身の時間とエネルギーも含みます。


具体的には、以下の3つの取り組みが重要です。


1.人材戦略の明確化

経営理念や目指すべき方向性を基に、
どのような人材が必要かを明確にする。

これがブレると、
人材の採用や育成が無駄なコストとなりかねません。


2.育成と評価の仕組みづくり

社員が成長できる環境を整えると同時に、
公平な評価制度を導入することで、
社員のモチベーションを高める。


3.トップ自らが動く

人材課題は、
経営トップが直接関与しなければ機能しません。

社員の声を聞き、具体的な行動を示すことで、
組織全体に一体感が生まれます。


◆「罪悪」を回避し、未来をつくる

人材課題を先送りにすることは、
一見、目の前の問題解決に
集中する正当な判断に思えるかもしれません。

しかし、そのツケは必ず将来に回ってきます。

後悔しないためにも、
今すぐ「人材」に向き合いましょう。

それが経営者としての責任であり、
企業の未来を切り拓く唯一の方法です。


皆さんの組織の中に、
まだ手を付けられていない人材課題はありませんか?

今日から、小さな一歩でも踏み出してみてはいかがでしょうか。



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