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長谷川 満

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第33回 人材が定着しないのは人材育成法にミスがある!

2021/07/28

人事部の必要性って、考えたことありますか?

人事部を客観的にみると、直接的には会社の業績に貢献することができません。

つまり、お金を生む部門ではないということ。

間接的に見れば、求める人材を採用し、育成してく。

その人たちが育っていくことで業績にも貢献していきます。

しかし、中小企業というのは本業がしっかりしない限り、人材採用や育成に時間をかけることができないと思われている方も多いことでしょう。

かと言って、人事の体制づくりを後回しにしていいのか?

もし、人事の体制づくりをしなければ、永続的に発展していくことは難しくなることでしょう。

では、どうすればいいのか?

シンプルに言うと、人事の体制づくりを組織が大きくなる前に着手して、人事部がなくても自然に回る仕組みを整えることができたら、後は、必ずしも人事部はなくてもいいと私は思っています。

では、人事部がなくても回る組織とは、具体的にいうとどんなものなのでしょうか?

それは、「現場で人が育つ仕組み」にするということです。

各現場の管理職に人を育てることをただ丸投げしている状態とは違います。

現場で育てる仕組みをつくった上で、現場に、人材を育てることになります。

ではここで、現場で人材を育てる仕組みづくりについて、1つ事例をご紹介しましょう。

それは、「新人にアウトプットさせる仕組み」をつくることです。

アウトプットをOJTの中に組み込んでいくと人が育っていく仕組みになります。
(※On-the-Job Training[オン・ザ・ジョブ・トレーニング]職場で実務をさせることで行う人材育成手法のこと)

一番導入しやすいのは、「新人にマニュアルをつくってもらう」ことです。

「マニュアルをつくる」ことを仕事として命じれば、新人も見たり、聴いたことをメモし、スマホで写真を撮るなど真剣にやらなければなりません。

それを何かしらの形で、アウトプットをすることによって、仕事の内容を理解し、記憶にも定着しやすくなります。

新人が辞めてしまう原因の多くは、「仕事がわからないのに聴く相手がいない」「相談に乗ってもらえない」「聴く人によって話が違う」などです。

新人にマニュアルをつくってもらえれば、こうした新人が抱えやすい問題を未然に防ぐことができます。

一般に、マニュアルは仕事を熟知しているベテランがつくるものと考えられています。

確かに、ベテランは仕事に精通しているので良いマニュアルができそうに思えます。

ところが、ベテランは自分は仕事ができると思っているため、新人がどういうところでつまずくのかわからず、マニュアルとしては不完全なものになりやすい。

一方、新人にマニュアルをつくらせるとわからないことが多い新人がつくるので、わからない人に向けた良いものができあがります。

更に新人が仕事を覚えるのも早くなり、定着率も上がってきます。

これが「現場で人を育てられる仕組みづくり」が意味するところなのです。