春の選抜高校野球の出場校が決定しました。
前年秋の地方大会の戦績を参考に選出された32校。
小さい頃からの夢を叶えた高校球児たちの熱い戦いを見ることが今から楽しみです。
候補には挙がっていたけれど、選出されたなかった学校の選手たちは
非常に悔しい気持ちを持っていると思います。
最後の夏に向けて、新たな一歩を踏み出してもらいたいです。
今回選出された32校。
秋の全国大会である神宮大会を制した石川県の星稜高校。
3年連続で近畿を制した大阪桐蔭高校。
昨夏ベスト4の主力メンバーが多く残り力のある神村学園高校。
昨年の優勝校、山梨学院。好投手を擁する広陵高校。
甲子園常連の強豪校が優勝候補に挙げられています。
プロ注目の選手がいたり、下級生の時から活躍している選手もいます。
そういった選手がどんな活躍をするのかも楽しみですが、
私が個人的に注目しているのは、石川県の日本航空石川高校です。
日本航空石川高校は、昨秋の北信越大会でベスト4で敗れました。
北信越から選出されるのは2校。
敗退した際は選出に黄色信号が灯り、選手たちも悔しい思いをしていたと思います。
が、北信越代表の星稜高校が神宮大会を制したことで、
北信越にプラス1枠、選出枠が付与されました。
一度諦めかけた甲子園の夢。それが再度見えてきた瞬間だったでしょう。
しかし、2024年の元旦。能登地方を大地震が襲いました。
石川県北部エリアに大きな被害をもたらし、
輪島市に学校がある日本航空石川高校も、大きな被害を受けました。
学校再開の目処も立たず、野球部も練習再開の見込みすらありませんでした。
そんな時、山梨県にある兄弟校の日本航空高校に学校ごと移転することになりました。
と言っても校舎があるわけでもなく、急ピッチで仮設校舎を建てたり、
生徒や教員の宿泊場所の確保も経営する学校法人が行いました。
野球部の選手たちも引越し、大きな教室にダンボールでベッドを作り寝泊まり。
それでも野球ができる喜びを選手たちが感じている姿が報道されました。
そして運命の甲子園出場校が決定する日。
日本航空石川高校の選手たちは自分たちの学校、グランドではなく、
間借りしている日本航空高校で選出の報を受けました。
他地域の選出校の選手たちが満面の笑みで抱き合って喜ぶ中、
日本航空石川の選手たちはその報を聞くと、全員がその場で泣き崩れていました。
選出された喜びはもちろんあったでしょう。
ですが、それ以上に故郷への想い、感謝が溢れてきたのだと思います。
慣れ親しんだ故郷、練習場所から遠く離れ、
慣れない土地、グランドでの練習を重ねて迎える甲子園。
選手たちの胸には故郷への想いがいつも以上に強くあると思います。
どのような結果になっても、選手たちが躍動する姿は、
被災地の皆様に元気や勇気を与えると思います。
日本航空石川高校の選手たちは故郷への想いを胸に、きっと活躍してくれると思います。