今年もプロ野球のドラフト会議が行われました。
ドラフトで指名された選手は、小さい頃からの夢を実現し、ホッと一息をつく姿、涙を流す選手、そして関係者。
プロ志望届を出した選手たちの落ち着かない1日が終わりました。
そのドラフト会議の一コマ。
抽選の末ドラフト1位で青山学院大学の常廣投手の交渉権を獲得した広島の新井監督。
早速指名の挨拶にと青山学院大学を訪れました。
元気よくにこやかに握手を交わし、多くの報道陣が待ち構える中、インタビューが行われました。
今年のドラフトの目玉と言われた常廣投手を指名できた嬉しさが滲み出る新井監督。
インタビューも佳境を迎える中、会場でどよめきが起こりました。
常廣投手のチームメイトである中島選手が、楽天からドラフト6位で指名された瞬間でした。
今年の大学選手権で日本一になった青山学院大学からは3名の選手がプロ志望届を提出。
常廣投手は広島が、下村選手は阪神が、それぞれドラフト1位で指名。
残る中島選手だけ、なかなか指名されない状況でした。
同じ会場では常廣投手の一位指名のインタビューが開かれ、中島選手としては焦りと不安の気持ちが大きかったと思います。
また常廣投手も気を揉んでいたと思います。
そんなタイミングでの楽天からのドラフト指名。
チームメイトも大きく湧きました。
インタビューされていた新井監督も思わず、何があったの？と驚くほど。
隣にいた常廣投手が嬉しそうに、中島が楽天から指名されたみたいです、と伝えました。
満足のいくドラフトで気持ちが高揚している新井監督でしたが、瞬時に、
中島選手、楽天からのドラフト指名、おめでとうございます！
一緒にがんばりましょう！
と、会場全体に響くような大きな声でエールを送ったのです。
念願の夢を叶えた若者へのエール。
新井監督が常日頃から自チームだけのことではなく、球界全体を盛り上げようと視界を広く持っているからこその言葉だったと思います。
テレビで見ていた私も思わずほっこりするような、そんなシーンでした。
とかく人間は視野が狭くなりがちです。
今だけ、金だけ、自分だけ。
そんな視野になっていると、せっかくの運も寄ってこないでしょう。
新井監督が見せた人間味は、企業経営や組織マネジメントにおいても参考になるのではないでしょうか。
