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岩田 徹

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第148回 戦力外通告

2023/10/13

阪神タイガースが18年ぶりの優勝を決めたセリーグ。
オリックスバファローズが圧倒的な力で3連覇を成し遂げたパリーグ。
WBCの優勝で大いに盛り上がった状態でスタートした今年のプロ野球も、いよいよクライマックスシリーズと日本シリーズを残すのみとなりました。
2位以下につけたゲーム差を考えると、両チームの日本シリーズでいいのでは、と思ってしまいますが、そこはルール。
シーズン3位のチームも日本シリーズを目指して短期決戦に挑みます。
短期決戦ゆえ、ちょっとしたプレーで流れが変わり、そのまま一気に下剋上を果たす、ということもあります。
2023年の野球界に相応しい、盛り上がるクライマックスシリーズ、日本シリーズであってほしいです。

と、華やかな戦いにどうしても注目が集まりますが、一方で、シーズンを終えたチーム、選手も多くいます。
既に続々と公表されていますが、多くの選手が戦力外通告をされています。

今年のシーズンは終わりました。
もう来年からは契約できません。
ものすごく残酷な宣告です。
プロ野球選手は会社で考えると、ほぼほぼ1年契約の契約社員ですから、
来年の編成を考えた際に戦力外を通告される選手がいるのは当たり前のことです。
宣告された選手たちの名前を見ると、かつて活躍したベテラン選手から、高校時代に甲子園で活躍した20代前半の選手もいます。
力がある選手でも通用しない世界。
改めてプロの厳しさを感じる季節です。

一方で会社員はなんと守られていることか。
雇用の安全性が担保され、がんばらなくても一定の給料が保証されている。
成果を出させるために厳しいことを言うとハラスメントと言われる。
できることで会社に貢献してもらおうと時間を長くすると残業が多くブラックだと言われる。
会社が戦力外を通告しようものなら、裁判で訴えられる。

プロ選手はクビにならないために努力しているのではなく、活躍し、成果を出すために努力しています。
仕事もそうあってほしいと願うばかり。
短期で成果で握り合うプロ契約会社員。
雇う側、雇われる側ではなく、お互いに緊張感を持った雇用関係が増えると、もっともっと生産性が高まるのではないか、
と、戦力外通告のニュースを見るたびに感じてしまう今日この頃です。