「あんしん、あったか、あかるく元気!」をグループの行動指針に掲げる、ANAホールディングス。
グローバルでの航空会社の格付け機関で、最高評価の「The World's 5-Star Airlines」認定を日本初で獲得しているANAを傘下に置き、コロナ以前の近年は、国際線の成長を中心に業績を伸ばし2010年3月期に1兆2283億円だった売上高を2019年3月期には初の2兆円突破へ導く怒涛の勢いでの成長を遂げていたのでした。
そのANAホールディングスが、4月1日に、役員体制を一新しました。その中で、注目を集めたのが「ANA X」の人事です。
2016年に設立された「ANA X」は会員数3700万人程度の「ANAマイレージクラブ」の運営を担ってきましたが、主要会社との位置づけではない存在でしたが、コロナ禍での「航空需要消滅」によるグループ全体の巨額赤字への転落状況において、「非航空収入の拡大」を目指す中心的存在として一躍期待を集めているのです。
そんな「ANA X」の社長と同時に、グループの上席執行役員に昇格されたのが、井上社長。
経歴には、LCCピーチを10年足らずで国内3位の航空会社へと成長させた実績をお持ちですが、グループにとって未知の領域だったLCCでの成功、この経験こそが「非航空収入の拡大」に活用できるとの期待を込めた抜擢人事と見られています。
「ANAマイレージクラブ」3700万人の会員向けのプラットフォームビジネスにおける井上社長の経営手腕に大きな注目が集まっているのです。