パワハラという言葉が生まれて20年以上が経ちます。
ちなみに、パワー・ハラスメント(パワハラ)は、2001年にコンサルティング会社のクレオ・シー・キューブの岡田康子氏が提唱した言葉だそうです。
2019年5月、職場におけるいじめや嫌がらせを防止する対策として「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」が成立し、2020年6月1日から施行されています(中小企業は2022年4月1日)。
こんな世間の風潮の中、怒鳴りつけるコミュニケーションが根強く残っている職場もあります。
建築や、料亭や旅館などの料理の世界など、職人と呼ばれる人たちがいる職場です。(もちろん改善されているところも多いと思いますが)
そんな職場で、実際に話を聞いてみると、職人の長は、情熱と愛情に溢れる素晴らしい方がとても多い!!
そして、部下たちを立派な職人に育てるために、自分がされてきた教育を、信念を持って、一生懸命にやっているだけなのだということが伝わってきます。
情熱と愛情と信念・・・そう!本当に素晴らしいです。
ただ、もうやり方を変えないといけません。
自分たちがされてきた教育だけが正しいわけでもないのです。
時代背景も、育て方も変わっています。
価値観も多様化しています。
だから、どんなにそれが愛情であろうと、やり方を押し付けて(それが、たまたま合う人は別として)うまくいかない時代なのです。
しかも「怒鳴っただけで辞めるなんて根性がない!」ではなく「怒鳴っただけで法的にアウト!」なんですね。
(もちろん、1回怒鳴ったからアウトというわけではありません。人前で何度も怒鳴る・長時間、人格を否定するなど、回数や時間などというポイントはあります)
さて、怒鳴る目的はなんでしょうね?
相手に教えたい。
相手を成長させたいからだと思います。
その目的さえ達成できれば、方法は『怒鳴る』じゃなくてもいいはず。
しかも、その目的のためには『怒鳴る以外の方法』の方がずっと効果的な方法が多いと思うのです。
『強く怒鳴ってくれて、それでハッと気づけた!』ということもあるので、何でもかんでも怒鳴っちゃいけない!って話では、もちろんないのです。
ただ、人前で何度も怒鳴ったり、長時間、人格否定するなどは、もう犯罪だし、目的のためにもよくないってこと。
情熱と愛情と信念を持って頑張っている職人さんにこそ、伝えていきたい!
どんなに、そこに愛があっても、それは『パワハラ』に当たるんだってこと。
愛情なのに、犯罪になってしまったら、本当に切ないことだから。
そして、何度も怒鳴るより、もっと成長できる関わり方がたくさんあることを知ってほしい。
若者のポテンシャルは私たちが思うより、ずっとすごいんですよね。
それを引き出すために、教育側のスキルを上げていきたいと思いながら日々邁進中です。