突然ですが、『スクール☆ウォーズ』というドラマをご存知ですか?
1984年10月から半年間、TBS系列で放映された、実話を元に製作された学園ドラマです。
40代半ばから50代、60代の方々は、リアルタイムでご覧になっていた方も多いかと思います。
授業もままならない荒れ果てた学校に赴任してきたラグビーの元日本代表だった体育教師が、ラグビー部の監督となって普通の公立高校を全国優勝に導く、というあらすじです。
この物語は、ラグビーのエリート集団が日本一になったというストーリーではありません。
落ちこぼれが這い上がっていく物語です。
だから多くの人がその内容に惹きつけられます。
人は逆転したストーリーを聞くと
「どうしてできなかった人ができるようになったのか?」
「どうやって不良を立ち直らせたのか?」
など多くの疑問が湧いてきて、もっと話を聞きたくなります。
これを人事にも応用してみるのです。
例として『スクール☆ウォーズ』を取り上げましたが、こうした這い上がるストーリーが人々を惹きつける要因は、ダメだった過去があるからです。
会社も同じように、過去に乗り越えてきた困難を話すと、その分現在が引き立つのです。
人事で人材採用をする立場からすると、どうしても会社の良い面ばかりを強調したくなるものです。
目の前にいる応募者が欲しい人材であれば、なお更そうでしょう。
けれど綺麗ごとばかりでは、聞いた方には違和感が残ります。
「本当にそんなに良いことばかりなの?」となってしまいます。
だからできていないことやしくじったこともきちんと共有できるということが大切です。
その際にご注意頂きたいのは「時間軸」です。
過去どういう経営をしてきたか?
それをこれからどうしていきたいのか?
展望、未来をどう見せるのか?
そういう浮き沈みを含めて見せていくことです。
確かに失敗談を聞いて応募を取りやめる人もいるでしょう。
しかし、そこでやめるなら、採用してもどのみち長くは続かないものです。
大事なことは、残って欲しい人に選考に進んでもらうこと。
本当に来て欲しい人の志望動機をあげることです。
なので人材採用のキーマンは社長です。
大企業なら、確かに社長がそこまで採用に時間を割けないということはあるでしょう。
しかし、従業員が数十人から数百人クラスの中小企業で、社長が採用に力を入れられないようでは、私の経験値から言うと、入社してからも人を大切にできない会社が多いという傾向が見られます。
もしあなたの会社が、人が定着せずお悩みなのであれば、そこをもう一度振り返ってみることをお勧めする次第です。