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岩田 徹

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第105回 現役ドラフトと期限付移籍

2022/12/16

プロ野球、Jリーグもオフシーズンとなり、
契約更改や移籍などの話題が連日報道されています。
先日、長いプロ野球の歴史において初めて開催された現役ドラフト。
各球団で出場機会に恵まれない中堅選手を他球団が指名し、
移籍の活性化、戦力の補強を目的に実施されました。
数名の選手が指名され移籍が確定。新天地へと旅立つこととなりました。

能力や素材を期待されプロ野球選手となったものの、
ハイレベルな戦いの中で出場機会がない選手も当然出てきます。
毎年即戦力と言われる選手が入団し、戦いは激化します。
戦力外通告や引退も頭をよぎる中で、ご自身の能力を買って指名してくれる球団がある。
もちろん入団する球団でも競争は激しいですが、
少なからず戦力分析した上でポテンシャルを期待され指名された現役ドラフト。

初めての開催で指名された選手たちが来シーズン、
どのような活躍を見せるのか、今から楽しみです。
これをきっかけに出場機会を得て活躍する選手が増えれば、
将来的にはより移籍が活性化することになると思います。

一方、Jリーグでは出場機会に恵まれない選手のために期限付移籍という制度があります。
これは保有権を現チームが持ちながらも、育成を目的に他チームで経験を積み、
成長した上でいずれ自チームに戻ってきてもらう、という仕組みです。
中には保有元チーム、選手、移籍先チームで合意し、完全移籍するケースもあります。
プロ選手として活躍できる期間、選手生命がそれほど長くないのがプロの世界。
1試合でも多く出場し成果を上げ、ステップアップを果たしたいのが選手の本音でしょう。

プロ野球の現役ドラフトとJリーグの期限付移籍。
私自身、現役ドラフトはどちらかというとネガティブなイメージを持っています。
現球団からは戦力として認めづらく、このまま居ても出場機会は増えない可能性が高い。
だからこそ他球団に行って欲しい。という発想。
期限付き移籍はもう少しポジティブで、今の段階では戦力としては読みづらい。
けれど、出場の可能性がある他チームで経験を積んで、実戦でもまれて成長して欲しい。
そんな球団の想いがあるように感じます。

いずれにしても選手自身がチャンスを掴み取る以外、方法はありませんが、
これまで飼い殺し状態で、プロの世界を離れた方もいることでしょう。
今回の現役ドラフトで指名された選手がチャンスを掴み、
グランドで躍動してくれることを願っています。
組織の中で埋もれることなく、活躍の場を自ら掴み取って成長する。
世の中全体、そうなると元気になりそうですね。