サッカーのワールドカップカタール大会。
ドイツ、スペインという過去に優勝経験のある2チームに逆転勝利し、
決勝トーナメントまで進んだ日本代表。
残念ながら目標としていたベスト8以上という夢は果たせませんでしたが、
日本国民に大きな勇気と希望を与えてくれました。
また世界からもその戦いは注目されました。
今大会はワールドカップ史上初めての中東開催ということで、
開催時期も11月、12月という初めての時期での開催となりました。
それまでのワールドカップは、ヨーロッパ主要リーグのシーズンが終了した後の
6月頃の開催で、シーズン終了後、各国が1ヶ月ほど合宿をした上で
ワールドカップに挑む流れでした。
ですが今大会はヨーロッパの主要リーグはシーズン真っ只中。
開幕の1週間ほど前までリーグ戦を戦い、そこからチームに合流する、
という状況です。
日本代表も26名中19名が海外組で、直前までリーグ戦を戦っており、
短期間でチームづくりをする必要がありました。
大会期間中にサッカー協会のSNSで発信される動画を拝見していましたが、
ベスト8以上という目標を達成するために、
選手、スタッフ含め、チームジャパンとして取り組んでいる姿が印象的で、
年齢差がある選手間でもコミュニケーションが活発で、
非常にいい関係性ができていると感じていました。
以前このコラムでチームづくりにおいて「関係の質」に着目する重要性を記載しましたが、
まさに日本代表チームは関係の質が非常によく、
それが選手個々の思考の質、行動の質を前向きにし、
そして結果を出せたことでさらに関係の質が向上する、正のスパイラルに入りました。
2戦目のコスタリカ戦に敗れた後もその関係は崩れることなく、
自信に満ち溢れた集団になっていました。
最終戦となってしまったクロアチア戦の終了後、
多くの選手が「もっとこのチームでサッカーがしたかった」
と涙を流しているのが印象的でした。
目標を明確化し、選手個々が自己研鑽に励みながら、
個々人がチーム内においてポジティブな空気を作り上げ、
チームとしての連動性、連携を高めていく。
ベテランはベテランの役割を果たし、経験値を還元しながら、
若手が萎縮することない環境を整備し、一丸となって戦う。
試合前後も一貫して周囲への感謝を示し続け、サポーターへのお礼はもちろん、
ロッカールームの片付け、スタッフへのメッセージなど、
その行動が世界から称賛される姿を誇らしく感じました。
まさに組織づくりにおけるお手本を見せていただきました。
ベスト8以上という目標は4年後に持ち越しとなりました。
今大会で成功体験も悔しさも感じた若手選手が、4年後までにさらに成長し、
新しい景色を見せてくれることを一ファンとして期待しています。
ありがとう、日本代表!