会社が人材を採用し、育てるというのは並大抵のことではありません。
まず、採用するまでが一苦労ですが、採用したら採用したで、今度は育成という問題が待っています。
「いずれは会社を引っ張っていってくれる人材に育って欲しい」と思うのが、会社の偽らざる願いではないでしょうか。
どうしたらそれができるのでしょう?
例えば、新卒社員を採用したとします。
ある程度、新卒社員向けの研修を行い、大体のルーティンワークを教えて、こなせるようになってきました。
そこから重要な仕事を任せられるようになるには、会社が「役割」を与えることです。
そのために、本人にとっては少しハードルの高い仕事を任せるようにします。
しかしながら、相手がそれまで一度も重要な任務を任されたことがないようですと、動きが鈍くなりがちです。
本人は一生懸命やっているのに、行動が後手後手になってしまうことがよくあります。
そういう時に、「何だ、思ったより期待はずれだったな」と思うのは時期尚早です。
できる人から見れば「こんなもんか」であっても、新卒社員からすれば、まだまだこれからなのです。
実際、新卒社員は、入社して数ヶ月は、わからないことだらけです。
会社側の考え、仕事の進め方、タイムマネジメント等々。
多くの上司は「わからないことは聞きに来るだろう」と思っていますが、新卒社員は、これがなかなかできません。
新卒社員は、「完成してもいない企画書を持っていくなんて」と思って相談できないのです。
会社側が初めて新卒社員に重要な仕事を任せる時は、まずは必ず方向性のすり合わせを行うことです。
そのためには、相手に「骨格だけでいいから、素案を○日までに見せて欲しい」旨を伝えます。
ここでお互いのベクトルの向きが合っているのか、相手がどういうものをイメージしているのか、不明点はないかなどをチェックするようにします。
それを早い段階でやっておけば、新卒社員が悩む必要のないことで悩まずに済むのです。
特に新卒社員を採用慣れていない会社ではありがちですが、こういうことは、会社がきちんと教えていかないといけないことです。
大きい仕事をいきなり渡しても相手はイメージがつかめず、そのままにしておくと社員の自信を失わせてしまったり、仕事に失敗してしまいます。
ポイントは、「階段を小さく見せること。」
仕事に慣れていない社員でも、確認しやすい環境を作ることが大切です。