HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第61回 オンラインとオンデマンド

第61回 オンラインとオンデマンド

2022/05/05

息子がこの4月から大学生になりました。
講義の8割が対面のようで、毎日楽しく通学しております。
新歓(新入生歓迎会)は、コロナ禍前のように活発に行われていないようですが、同じクラスの人とは頻繁に顔を合わせますし、学内で新たな出逢いがあるなどして、本来のキャンパスライフといった感じです。
このままコロナ禍が収束に向かえば、高校生のときに縮小や中止を余儀なくされたイベントもいろいろと経験できそうで、本人も楽しみにしているようです。

前置きが長くなりました。ここからがオンラインの話です(笑)。
対面授業が8割ということなので、残りの2割を尋ねると、オンラインとオンデマンド(アーカイブ視聴)だそうです。
息子は高校時代に学校では一部オンライン、塾ではオンデマンド形式で受講していたので違和感はないようですが、集中度合や講義前後の気持ちは違うとは言っていました。
オンライン講義といっても講義内容によって進め方は違うのでしょうが、現時点では一方通行形式のものが多く、中には眠くなるものもあるようです(苦笑)。
オンデマンドについては、いつでも視聴できるということもあり、ついつい後回しになってしまうようです。とはいえ疲れているときや天気が悪いときは自宅でオンライン受講のほうがありがたいでしょうし、一度聴いてもピンとこない内容でもオンデマンドなら何度でも視聴できます。
板書やノートもスマホで撮影できますし、文字もデジタル変換できたりします。
ノートも最初からPCやタブレットで記録している人も増えてきましたね。
昔に比べたら、学びの方法も圧倒的に幅が広がり学びやすくはなっているのではないでしょうか。

弊社でも研修によっていろんな進め方にトライしています。
営業担当者向けのプレゼンテーション研修では、講義をオンデマンド形式で事前配信して、課題作成に取り組んでもらい、研修はオンラインでのプレゼン実演です。
以前は集合対面講義を受講→課題作成→プレゼン実演という形式でしたが、以前よりも理解度が高まっている印象を受けます。
参加者にはオンデマンドは好評で「都合のいい時間にリラックスして視聴できる」「わからないところを何度も視聴できる」「ノートもとりやすい」という意見をよく聞きます。
インプットにはオンデマンドは向いているのだと思います。

またオンラインでのグループワークで、プレゼンテーションの実演をしますが、こちらも想定以上に好評で「相互フィードバックという明確な目的があり楽しく参加できる」「オンライン参加だと業務調整もしやすく、研修中に電話もかかってこなくなった」「チャット活用によりコミュニケーションを見える化しやすくなった」という、ストレスフリーを意味するコメントも多くなりました。
実際に、希望参加形式のセミナーはオンラインに切り替わってから参加者が増えたというお客様が圧倒的多いような気がします。

では、対面の意義はどこにあるのかということになりますが、オンラインやオンデマンドが進化浸透していく現在においては、その位置づけも変わってきています。
アーティストの方々は、コロナ禍での感染防止対策として、無観客ライブやプロモーションビデオを多数配信しましたが、どこまでいってもライブ講演には太刀打ちできないと言っていますよね。
これで声援が可能になったら、ある意味“無敵”なのではないかと思います。

オンラインやオンデマンドの普及は、対面(オフライン)コミュニケーションの価値向上の方向性をより明確にしてくれたのではないかと感じています。
私たち研修講師は「やっぱり対面講義を受講したい」と思わせるような、コンテンツやメソッドの開発に貪欲でないといけないなと強く感じた今日この頃です。