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益田 和久

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第52回 わかるとできるは違う

2022/03/03

社業の他に「日本オンライン講師アカデミー」の理事として、オンライン研修の普及や講師、事務局(オペレーター)の方々の運営スキル向上のお手伝いもしております。
先日はそのお仕事の一つとして、顧客先でもある世田谷区役所の研修担当課向けに、オンライン研修運営のレクチャーを行いました。

世間一般にオンライン研修が認知開催されて約2年が経ちます。
このWebマガジンでも時々書かせていただきましたが、「いいオンライン研修」を創り上げるには、通信やデバイスなどの物理的環境、オンラインの特性を踏まえた講師のインストラクションスキル、事務局(オペレーター)のスムーズな機器操作、受講する側の準備等、様々な面でのスキルアップが必要になります。

また研修毎に内容や講義時間、実習方法、受講者人数が変わるので、入念な事前準備や打ち合わせが必要になります。
感覚的に、集合対面研修よりも事前準備の労力は大きいと思います。
物理的な距離があるのでアドリブがきかないというのが、事前準備に労力がかかる大きな理由かもしれません。

日本オンライン講師アカデミーでは、その事前準備をスムーズに進めることの一助として「ブルペン」というサービスがあります。
ブルペンというのは、野球で控え投手が登板する準備のために投球練習をする場所のことを意味しますが、まさに次の登板ならぬ登壇に向けての練習の場です。

講師自身の講義シミュレーションや受講者の反応確認、オペレーターとの連携等、事前に体感しておくと当日もよりスムーズに進めることができます。
どれだけ頭でシミュレーションしても、運営側だけで話をしても、研修はやってみないとわからないことが多々あります。
まさに「わかる」と「できる」の違いを実践的に理解することができます。

今回は、その「ブルペン」の出張版です。
世田谷区研修課が主催しての本格的なオンライン研修が初めてということもありましたので、事前にポイントは書面と口頭でレクチャーし「予習」をしていただきました。
その上で、講師、事務局(オペレーター)、受講者それぞれの当日の動きをシミュレーションをするという体験学習方式で、質疑応答も交えながら約3時間、中身の濃い内容になったと思います。

オンラインツールは、インターネット上に書面だけでなく、写真や動画でも多くのマニュアルや手順書が公開されています。
動画はわかりやすいものがたくさんあります。
ただ、これはわかりやすいというだけで、実際にやってみないとスキルにはなりません。
やってみたらその通りにいかないことも多々あります。
だからこそ、事前にたくさん練習してみて、疑問や不安をあぶりだして、その対策を立てておくことが必要です。
実践に勝る学習方法はなし。
改めてそう思う「出張版ブルペン」でした。

左下が弊社ITリテラシーコンサルタントの田中です