大手企業で「メンバーシップ型(旧来日本型)雇用」から「ジョブ型(欧米型)雇用」への切換えが加速しています。
たとえば、「資生堂」では2020年から一部従業員を対象に導入し、
「富士通」では2020年4月に管理職以上に導入し、2024年までに全従業員に広げ完全移行を目指しています。
また、「ニトリ」ではデザイナーやエンジニアなど、明確に業務範囲を設定できやすい専門職に限っての導入という、メンバーシップ型とジョブ型の混在雇用形態をとっています。
「日立」や「NEC」などの巨大企業もそれぞれ全社員を対象にジョブ型への移行を目指すと発表しています。
上記のように、多くの大手企業が「導入を目指す理由」には、
・生産性の向上
・グローバルでの競争力の強化
・多様な働き方への対応
などが背景に存在しますが、
これまでのメンバーシップ型雇用と大まかに「比較」してみますと、
◆採用
・メンバーシップ型:人事部主導、新卒一括方式
・ジョブ型:採用部門主導、高度人材スカウトなど多様
◆賃金
・メンバーシップ型:年齢や勤続年数による
・ジョブ型:職務や役割による
◆教育
・メンバーシップ型:社内一括教育
・ジョブ型:社員が自主的に選択
◆特長
・メンバーシップ型:人に仕事を当てはめる、終身雇用
・ジョブ型:仕事に人を当てはめる、専門性の向上
と、分けわれるのかと思いますが、当然ですが、ジョブ型雇用にも「メリット、デメリット」が存在します。
「企業」にとっては、以下の通り。
◆メリット
・専門性の高い人材を確保しやすい
・仕事の評価がしやすい
◆デメリット
・臨機応変な配置転換がしづらい
・導入するための環境整備に時間、コストがかかる
そして、「働く側」にも、それは存在します。
◆メリット
・得意分野、強みを活かせる
・収入アップが望める
◆デメリット
・仕事を失うリスクが付きまとう
・主体的な能力向上が望まれる
ざっとまとめてみましたが、大手企業に勤める、周囲の友人・知人の反応はと言うと、「若い世代は歓迎」している人が多く、「ベテラン世代は否定的」な人が多い、という印象です。
個人的には、「働く側のデメリット」については、「当たり前では?」とも感じますが、この先の、動向に注目したいですね。