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高松 秀樹

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第59回: 原油高騰から自らを考える

2022/01/29

原油価格の高騰を受け、政府が1/27から「ガソリン価格抑制策」を始めましたが、同じタイミングで日本最大のエネルギー・素材企業グループである「ENEOSホールディングス」が和歌山製油所の閉鎖を発表しました。
21年9末には「日本製鉄」も和歌山製鉄所の高炉2基のうち1基を恒久休止しており、和歌山経済の両輪とも言われた事業が縮小することで、地域経済のみならず関西経済圏にも大きな打撃が与えられることになりそうです。

ガソリン価格に目を向けてみますと、価格高騰に不満の大声があがっている米国よりも日本の価格は倍以上。課税された卸価格に消費税が加算される二重構造なのです。
個人的には暫定課税を停止する「トリガー条項」の即時発動を願っているばかりですが、政府の重い腰を上げるのは簡単ではないのでしょうね。。

一方、巨大企業であるENEOSさんに目を向けますと、2019年から始まった社内起業プログラム「challengeX」からは、初年度200を超えるアイデアが集まり、新たなビジネスが生まれる気運が高まっているようです。
こちらは、在籍年数や職位等の応募制限はなく、テーマも自由。複数の審査を経て、最優秀賞を受賞した提案者は、「未来事業推進部」に異動し事業化の最終検討、会社設立後には経営者としてチャレンジに取り組むことができます。

また、東京・大手町には「Inspired.Lab」が設置されており、ビジネス・イノベーション・スペースとしてスタートアップなどと積極的に意見交換を進め、外との交流にも積極的です。

エネルギー産業という社会インフラを支える会社には、堅実なイメージが抱かれますが、既存の仕組みやしきたりなどの改善、改革に向け、新たな取組みに邁進していらっしゃるのです。

政府への不満を心に募らせるだけでなく、自らの行動で、より世の中づくりに貢献していけるよう私も見習います。