「出社したくなるオフィス」と聞くと、リモートに慣れてきた方々からすれば、少し身構えてしまうのではないでしょうか。
オフィス家具大手の「イトーキ」は、この「出社離れの空気」に真正面から向き合っているのです。
オフィスを「ただの仕事場」ではなく、「人が集まりたくなる空間」に変えようとしているのですが、たとえば、「Data Trekking」という仕組みでは、オフィスの利用データを分析し、「どの会議室が人気なのか?」「どんな座席が不人気なのか?」などを「見える化」してくれます。
混み具合に応じてポイントが変動する「Reserve Any」もユニーク。
これが導入されると、「どうせ取れないから」と諦めていた会議室に、ちょっとした駆け引きが生まれます。
空間が、ゲームのように動き出すのです。
もちろん、空間「そのものの工夫」も忘れていません。1人用の集中ブースや、ゆったり話せるソファ席、自由に選べるフリーアドレスなどなど。
オフィスに多様な「居場所」があることで、誰もがその日の気分で「自分の働き方」を選べるのです。
面白いのは、このような取り組みを支えているのが、「人の気持ち」への深いまなざしだということ。
実際、イトーキの調査によれば、オフィスに満足している社員ほど、出社に前向きで、チームとのつながりも感じやすいのだそう。
働く空間は「管理される場」ではなく、「会いたくなる場」へ。
空間を整えることは、人の関係を整えることでもあるようなのです。