第19回 どんな時代でも進化し続ける教育とは?
2021/08/22
社会には、たくさんの教育法が溢れていますが、教育とは一体なんでしょう?改めて考えてみたいと思います。
教育という言葉を辞書で調べると、
『ある人間を望ましい姿に変化させるために、身心両面にわたって、意図的、計画的に働きかけること。知識の啓発、技能の教授、人間性の涵養 (かんよう) などを図り、その人のもつ能力を伸ばそうと試みること。』
とあります。
そうです!教育とは「手法」ではなく「成果を出すこと」です。
では、いま、一般的に行われている教育はどうでしょうか?
教育の現状
まず、義務教育と呼ばれている小中学校の教育。
その先の高校。現代では、小中高までは、ほとんどの人が経験しているでしょう。
カリキュラムも時間も決められている集合学習です。
やるべきことが決められていて、正しい答えが一つ、その中で『点数』で評価される教育を12年間受けます。
たまたま、学校が楽しい!勉強が楽しい!と思える生徒はいいですが、たまたま学校が合わない!勉強が嫌い!と感じている生徒にとっては苦痛でしょう。
私は、既存の教育を否定しているわけではなく、合う人はそれを選択すればいい、合わない人は合う教育を選択すればいい、と考えています。
しかし、日本には選択肢が少ないのが現状です。
その中で、私が選択し、実践した教育があります。
実践してきた教育
私が15年前、親の立場で子に対し、公教育ではない『オルタナティブ教育』を選択した時、私の家族をはじめ、周りに人たちは「だめよ!ちゃんと学校に行かせないと!」と言いました。
この『こうするべき』『みんなそうしている』『常識だ!』と言う、これらの価値観が何より教育の成果だなぁと感じました。
そして、これらの考え方こそ、時代や状況が変わったときに成長できない考え方だと感じました。
なぜなら、時代や状況によって常識は全く変わるからです。
だから『こうするべき!』にとらわれると変化に弱くなると思います。
『信念』を人生で貫くことは大事ですが、常識やみんなそうしている、などは信念ではなく『赤信号みんなで渡れば怖くない』精神で、そこに信念があるとは思えません。
もちろん、自分の信念に則って、また学校が大好きだから、などという『意思』で、今までの教育を選ぶのは素敵なことだと思います。
だから否定しているのではなく、選択できることが大事だと思います。
自分の価値観に合う教育を選択できる社会にすべく実践中です。
と言う背景を踏まえて、社会に出てからの『人材育成』。
この人材育成も、公教育の延長にあると私は感じています。
理想のフレームに当てはめようしている育成法が多いからです。
私は、中小企業に入って、困った社員の育成や自走組織の育成に携わって11年目です。
また、独身の頃、学童保育の先生をしていました。その頃から既存の教育に違和感を覚え、子どもたちと一緒に考えるやり方を模索し、小さな改革をいくつも起しました。
このような経緯で、
『ありのままを受容し相乗効果を起こす、自走する教育』を34年実践し、さまざまな実績を出しています。
そんな現場感覚でこの記事を書いています。
今までとは真逆の教育
最近ではヨーロッパの教育(オルタナティブ教育)が、何度もTVなどで紹介され、ティール組織などの本がベストセラーになるなど、画一的な教育ではなく、一人一人を活かす教育への理解が深まっています。
それでもまだ、今までの画一的な教育が主流だと感じます。
画一的な教育は「言うことをよく聞く、工員を育てる。」教育です。
安定期や成長期だったらいい教育と思いますが、不透明なこれからの時代、画一的な教育が主流、常識であることに危機感を覚えます。(選択肢の一つであればいいと思います。)
不透明なこれからの時代、どんな時代も進化し続ける教育とは、一人一人が答えを見つけることができるような教育です。
ディスカッションして全く新しい答えを創造できる教育です。
『こうなりなさい!』『こうしなさい!』『点数で評価する』と言う教育とは真逆です。
勉強が必要ない、と言っているのではないのです。
もっと自発的に楽しんで勉強できる環境は作れるし、自分の頭で考え、意見を伝え合ってディスカッションから新たな創造が生まれる教育がある!と言いたいのです。
その教育の土台にあるのが『ありのままを受容するコミュニケーション』です。
一人一人の中に答えがある、と信じていれば『ありのままを受容する』のは簡単です。
正しい答えが一つだと思うから『こうするべき!』と思って『ありのままを受容する』のが難しくなります。
いま社会には、既存の教育を受けてきた人ばかり。
だから『ありのままを受容する』と言うことが分からない、もしくは、難しく感じてしまうこともあるのでしょう。
でも、私も既存の教育を受けてきた一人です。
時代が変わってきています。教育もシフトしないといけないと気づいている人が増えています。
34年前は、理解者が少なく非常に苦労しました。
15年前、我が子の教育でも、公教育を選ばないことに猛反発を受けました。
しかし、今では理解者が増え、同志も増え、また今まで否定していた人からも共感をいただくようになりました。
本当はもう30年前には時代は変わっていたのだと私は感じています!
今が、シフトする時代です。
正しいフレームに当てはめたり、従順な社員を育てていると、確実に時代に取り残されるでしょう。
なぜなら、時代や状況は刻々と変化しているからです。
どんな時代でも進化し続ける教育
さて、教育とは「手法」ではなく「成果を出すこと」と最初に書きました。
そして人は、周りの環境・雰囲気・風土=関係の質に強い影響を受けます。
「ありのままを受容し合う」「お互いに触発しあって成長する」そんな教育が必要だと心から感じています。
その土台があれば、手法はなんでも構わないのです。
自分がいいと思うものを選べばいいと思います。
私は、この土台を実践することで、多くの社内の問題を解決し、その解決事例は雑誌の連載にもなりました。
この連載でも書いています。
だから、これからの教育は「一つの理想」「フレーム」に当てはめるのではなく、ありのままを受容しあい、触発しあって相乗効果を起こし、どんな時代でも成果を出す、そんな『関係の質』を上げることが重要だと私は実感しています。
それを聞いて、どんな風に感じますか?
(この、人それぞれの感じ方こそが答えです!私と同じ必要はありません。ぜひ『自分の答え』を言語化してみてくださいね!)