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益田 和久

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第21回 ITリテラシーの差を埋める

2021/07/29

仕事柄、いろんな方からオンラインに関する相談をいただきます。
社内外のオンラインコミュニケーションに関することだけでなく、同窓会や地域行事、習い事を主宰される方からの相談もよくあります。

相談事の背景として共通して感じるのは「ITリテラシーのバラツキ」です。
仕事では、オンラインツールを駆使してコミュニケーションを図ることが、ある意味義務づけられていますが、同窓会や地域行事、習い事等はそういった“強制力”がなく、その上年齢の幅やネット環境にもかなりのバラツキがあるので、オンラインツールの展開は思った以上に難しいのです。

例えば、スマホがないとか、PCがないとか、家にWi-Fi回線がないとかもあります。
それでも1年以上にわたって、断続的にステイホームや非接触コミュケーションを強いられると、インフラも少しずつは整備されてきました。

ところが、ここでぶつかるのが「ITリテラシー」の壁。
LINEでメッセージ送受信をしたり、Google chromeやsafari などでインターネット検索をしたり、ゲームをしたりするのは、みなさん問題なくできます(キャリアショップで初期設定で教えてくれますしね)

ただ、Zoomのアプリの使用となると、いくつか苦労しました。アプリをダウンロードできない、ダウンロードしてもサインインができない、サインインしたけど音が出ない、、、等々、いずれもキャリアとかショップに問い合わせていただきたい内容です(苦笑)

こちらも、LINEや電話でご説明したり、回答となるサイトをご紹介したりするのですが、うまくいかないと「私には難しい」「私には無理」「私は遠慮しておきます」といって断念しようとする方も見られます。
それだと私の仕事として成り立たないので、会議室に集まっていただくか、相手先にお伺いしてレクチャーするかになるのですが、対面でじっくりと時間をかけて対応すると、ほとんどのことが解決します。
ただここまでは初期段階の「環境整備」的なことで、問題はここから先の「使いこなす」という次の段階まで持っていくのが仕事の本来の目的になります。

Zoomで何度かミーティング(ワークショップ)を開催することは勿論のこと、バーチャル背景やビデオフィルターを変えて楽しんだり、YouTube映像の上映をしたり、最近の写真を画面共有で見せ合ったりなど、対面コミュニケーションと同等、もしくはそれ以上の楽しみ方があるということを体験してもらうわけです。

結構時間もかかりますが、要は「便利で、楽しくて、手軽なツール」ということを体感できれば、後はご自分達で仲間内に展開してくださいます。
数ヶ月前に「Zoomとか面倒くせえ」と言っていた人が、「Zoomいいよ、今度やろうよ、教えてあげるからさ」と言ってすっかりZoomマスターのように振る舞ってます(笑)

また、ご高齢の方はご高齢の方に教えるのが上手だなぁというのも見ていてわかります。
ご自身がひっかったところが、体感としてよくわかっているからだと思います。

コロナ禍において、日常生活のあらゆる部分をIT化する動きが加速したと思います。
IT弱者、またITが苦手な方々に様々配慮をしていく必要がありますが、よほどの事情を除き「難しいから、慣れないから、覚えられないから」あきらめさせるのではなく、粘り強く教えていくことも大事なことではないかと、この1年の活動を通じて改めて思いました。

便利になることが体感できれば、必ず使うようになります。
使う人(使いたい人)が多くなればなるほど、相乗効果も高まり、「新しい生活様式」の具体的な形がそこに見えてくるのではないかと思います。