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岩田 徹

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第32回 準備力

2021/07/23

いよいよ東京五輪2020がスタートします。
開催についての賛否両論、無観客での開催についての不満など、
これまでにない形でのオリンピックですが、
トオスポ筆者として、スポーツが趣味の私にとって、
たまらない夏が始まりました。
世界各国の一流アスリートが5年間積み重ねてきた想いと努力を東京で一気に爆発させる。
普段馴染み深い競技も、あまり見たことがない競技も、
この機会に見ていこうと思います。

競技を目前に控え、選手のインタビューも見る機会が増えました。
その中で、柔道男子の井上康生監督が印象に残りました。
井上監督は2000年のシドニー五輪で金メダルを獲得。
2004年のアテネ五輪前まで国際大会で5年間無敗。
絶対王者としてアテネでも金メダルが確実視されていました。
しかし準々決勝でまさかの一本負け。
その敗因について「準備力不足」と、メディアを通じて初めて話されました。
直前の合宿中に食中毒になりコンディションが整わず、
膝の怪我もあり、精神状態に余裕がなくなったようです。
一本を取るという理想を追い求めるあまり怪我でさえ気持ちで乗り越える、
という思考になったそうで、「弱さ」が出てしまった、と話されました。

五輪という大舞台で何が勝敗を分けるのか、という問いに、
「どれだけ準備ができるか。
準備をしすぎてメンタルが過剰に反応し過ぎてしまうこともある。
これも含めて準備だと思う。」とおっしゃられていました。

その分野で一流と言われる人々が集うオリンピックの舞台。
勝敗は紙一重、と言えば簡単な言葉ですが、
その場に至るまでの過程も含めてオリンピックを楽しみたいと思います。
選手の皆様がベストを尽くせるように願っています。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

ただ何気なく漫然と日々を過ごすだけでは成長はありません。
緊迫した場面、成果を発揮するために準備が行える場面をいかに設定できるか。
会社側も個々人も意識的に場の設定を考え、設けることが、
人材育成にとって重要だと考えます。