HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第20回 オンラインでできないこと

第20回 オンラインでできないこと

2021/07/22

先日、久しぶりに関西出張がありました。
関西での対面型研修ではなく、お客さまの研修センターに設置されたスタジオからのオンライン研修配信です。
弊社事務所からの配信もできないわけではありませんが、総合的判断からそのようにしました。

機能としては万全で、受講者が一覧できる大型モニターは勿論のこと、ブレイクアウトルームのときはルーム別のPCがあり、モニターだけで8台。
事務局様もずっとサポートについてくださり、ミニ放送局さながらの環境で、気持ちよく研修ができました。

いつもの自社配信場所と違うことで、新鮮な気持ちにもなりましたし、照明や音声の設定も見直しをしてみようと思いました。
何より旅に出ることができ、いつもとは違う景色や雰囲気を体感することで、様々な刺激がありました。

この1年で、オンライン研修やリモートワークの割合が増えてきて感じるのは「いつも同じ景色や雰囲気にいること」です。
私は対面研修のときには、実習中の写真や休憩時間に談笑している写真を撮影して、お客さまにフィードバックしています。

お客さまの許可をいただいて、自社のSNSにアップしています。
研修終了時に受講者の方と集合写真を撮影することもあります。
一つひとつの写真には個性があり、その会社や人の雰囲気もあり、後から見返すといろんなことが思い出されます。

また、その研修会場までの道中や会場の雰囲気、昼食時の風景とその環境にいるだけでいろんな気づきや発見、刺激が生まれてきて、受講者や事務局様との会話も弾みます。

一方でオンライン研修は、どれだけ“大盛況”で終えたとしても、研修風景のスクリーンショットはいつも同じような画角になります。
休憩時間や昼食時間も画面音声ともにオフなので、事務局様との世間話や受講者同士の雑談もありません。
研修の目的であるスキル習得や情報共有という目的は達成しているものの、新たな気づきや発見、刺激という点では、対面型と比べると物足りないという思いを感じています。

現在の社会情勢として、「対面型の研修や会合」をオンラインに切り替えるのは仕方がないと思います。
ただ、同期が集まる研修などは、終了後にみんなで食事や飲み会に行くのが一つの楽しみなわけです。
勿論、オンラインでも飲み会はできますが、研修受講も飲み会もPCの前というのは、味気ないような気もします。

たまにある研修だからこそ、いつもと違う場所で受講して、その道中に発見があり、人が集合する中での緊張と気づきもあり、終了後の懇親の場で刺激と癒やしを享受して、リフレッシュするのではないかと思います。

ワクチン接種が進んでいく状況で、お客さまからは、対面研修を一部復活させるご相談がきています。
どの研修を復活させた方がいいのか。
対面研修でやってきたことのほとんどのことがオンライン研修に置き換えることができましたので、「対面でなければできないこと」というのはかなり限られてきます。

紙や道具を使用しての制作実習や実際に人が歩いたりする実習等がありますが、他の実習に置き換えることも可能です。
そうなるとやはり、対面でなければ感じることのできないライブ感や、休憩時間の雑談や終了後の懇親いった「その場にいることで得られるもの」の必要性が高いものということになります。

オンラインが定着してきた今だからこそ、オフライン(対面)でしか得られないものは何かを考えて、上手に使い分けていくことが大事ではないかと感じる今日この頃です。