第12回 たった一つの社内ルール、ありますか?
2021/07/04
人が集まれば、何かしらのルールが必要になります。組織運営も然りです。
さて、あなたの会社にはいくつのルールがありますか?
今回は『たった一つのルール』がすごい効力を発揮する、という話です。
原体験
私が『たった一つのルール』に出会ったのは、今から15年以上も前。
世田谷区羽根木プレーパークです。
火を起こしても、高い木に登っても、どこまでも穴を掘っても、工作しても、何をどうしても自由!と言うご機嫌な『森』の中の一画。
しかし、ルールが、たった一つだけありました。それが、
『自分の責任で自由に遊ぶ!』
何をしてもいいけれど、全て自分の責任。例え怪我をしても自分の責任です。
このたった一つのルールがあるおかげで、
『それがいい!』と言うお母さんたちが集まります。私もその一人でした。
『洋服を泥だらけにして遊んで欲しい!多少怪我したってたくましく育ってほしい。遊びを創造していく楽しさを見つけてほしい!』
だから、真っ黒になろうが、多少怪我しようが問題ないのです。
しかし、もしこのルールがなければ・・・
「誰々ちゃんにお洋服を汚された」とか「うちの子が押されて膝を擦りむいた!」とか、色々と問題が出てきます。
たった一つ、ルールがあるだけで、その価値観の人が集まるし、集まる人の行動指針にもなるのだなと、そのときに感じていました。
デザイン会社での実例
その後、会社を立ち上げ、問題社員や社内の対立を解決したり、組織を自走組織に育てる仕事を始めました。
その中で『たった一つのルールを作る!』と言うことに取り組みました。
すると、これが、ものすごくパワフルなことなのだと思える実例がたくさん起こり始めました。
例えば、あるデザイン会社では、
『我々は一流のクリエーター集団だ!』と言う、たった一つのルールを作りました。
まだ、コロナと言う言葉ない時代でしたが、クリエーターとしてのパフォーマンスが出せるのが、会社より自宅であれば、自宅勤務可となりました。
勤務時間中にインスピレーションを求めて美術館にいくのもOKとなりました。
『我々は一流のクリエーター集団だ!』
と言う、このルールに則っていれば○、則っていなければ×。
こうすると、価値観や行動指針が明確になります。また、一人一人の誇りが育ちます。
さらに、この価値観や風土がいい!と思う人が入ってくるので、組織が成長していきました。
『たった一つのルール』のパワー
ルール(行動指針)がいくつもあって、社員が覚えられなかったり、やらされ感だと機能しません。
ルール(行動指針)がたくさんある場合、その会社の『価値』が明確になっていない場合があります。
会社の『価値』が明確なら、ルールは一つでも、組織はまとまります。
また、もし理念を掲げていても、社員にとって、お題目のようになっていたら、非常にもったいないですよね。
そもそも、理念や行動指針、ルールなどが、ない場合もあります。
それでは、一人一人を活かし相乗効果で組織が成長するのは難しいでしょう。
『自分たちは、こうなんだ!』『こういう組織に属しているのだ!』と言う誇りが育ち、その行動指針が風土や文化となり、組織が成長していくからです。
たった一つだからこそ、パワフルなのです。
さて、いま。
一人一人の誇りが育ち、行動指針になるような、たった一つのルールはありますか?