営業部で一般社員だった頃は活躍していた一博さん。
部長に抜擢されてから、上司とも部下ともうまくいかず、会社にいくのが辛くなりました。
プレーヤーとしては一流でも、部下の育成が苦手という方、実は多いです。
しかし、苦手なんて言ってられません。
自分なりに勉強したり工夫したりしますが、うまくいかずに辛くなっていく。
そういうことが起こります。
そこで一博さんに、「部下たちに対してどんな想いを持っているのか?」聞きました。
すると、「みんな、もっと能動的に動いてほしい。やる気を出して欲しい。」と。
このように、相手に変わって欲しい!という意識でいると、どんどん辛い状況になっていきます。
そもそも、自分の関わり方に応じて、相手の出る面が変わるので、こちら側の意識が変わらない限り、現状は変わりません。
そこで、
「それぞれのやる気や得意を、活かすも殺すもリーダー次第。そう考えてみると、今までの関わり方で気づくことはありますか?」と質問しました。
一博さんは、少し考えて。
「部下に対して、なんで仕事なのに、やる気を出さないんだ!なんで自分ごとじゃないんだ!と、不満を感じていました。そんな気持ちで関わられたら、うまく自分らしさを出せないかもしれません。だけど、どうしてもそう思ってしまう自分がいます。」と伝えてくれました。
私:「なるほど。素直な気持ちを教えてくださって、ありがとうございます!では、一博さんが一般社員だった頃、どうしてやる気を出せていたんですか?」
一博さん:「それは、営業という仕事が辛いこともあったけれど、基本的に好きだったからです。お客様から、ありがとうって言われたら嬉しいですし、成果が出ると、よし!って思えるし。数字で成果がわかるのも自分に合っていたように感じます。」
私:「なるほど、そうなんですね。じゃぁ、営業が自分にはあまり合わないと感じてモヤモヤしていたり、成果が出せずに焦っているような人だったら、どうやってやる気を出せるでしょうか?」
この質問で、一博さんはハッとされました。
そう。
たとえば言葉で「みんな自分と同じタイプじゃないんだよ。」と概念を伝えても、頭では理解できても『じゃぁどうしたらいいの?』がわからない。
だから、概念だけを伝えるのではなく、このように感情から紐解いて、自ら気づく対話を深めることが大事なのです。一博さんは、
「今まで良かれと思って、『頑張れ!』と、ハッパをかけていました。また、対話をしているつもりで、こちらの気持ちを押し付けていたかもしれません。今日のこの対話のように、もっと相手の感情を聞いてみたいです。」
実は、一博さんも最初の頃は営業がうまくいかずに悩んでいた頃もあったそう。その時に、リーダーから「焦らないで、自分の得意なスタイルを見つけていけばいいんだよ。相手に喜んでもらうにはどうしたらいいかを考えて行動していたら、きっと自分らしいスタイルは見つかるから。私もフォローするから、もう少し頑張ってみれば?」
と言ってもらったことを思い出しました。
部長に昇格してから、上司からの圧力や、チームのノルマで頭がいっぱいで焦っていて、それを忘れていたのです。
一博さんは部長としても『自分スタイル』を焦らず見つけていこうと思えたそうです。
まとめ
『リーダーだから、ちゃんとやらないと!』『部下を動かせない奴と思われたら嫌だ』などと、『〜するべき』の気持ちや、人の目を極度に気にすると、自分の能力が発揮されづらいのです。
慣れない地位や部署に昇進や移動をすると、最初は戸惑うことも多いかもしれません。
でも、どこに行っても仕事は『関係性』で成り立っています。
関係性の一番の大元は、自分との関係です。
自分との関係が周りの大きく影響します。だから、
「焦らないで、自分の得意なスタイルを見つけていけばいいんだよ。相手に喜んでもらうにはどうしたらいいかを考えて行動していたら、きっと自分らしいスタイルは見つかるから。」
という、先輩の言葉の通り!
なんですね。
まずは、誰よりも自分に寄り添うこと。
自分の感情を大切にすること。
そして、自分のことを大切にすると同時に、目の前の人に寄り添うこと。
これが重要です。
自分を尊重した分だけで、人を尊重できるからです。
もし、自分のことを蔑ろにして、人のことを考えたり、人に期待していると、今回の一博さんのように、どんどん辛くなっていきます。
まずは、自分の感情を大切にすること。そこから始めましょう。
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