第6回 そもそも『自走組織』とは何か?
2021/05/23
「自走する組織になってほしい!」と言う声をよく聴きます。この自走する組織=自走組織って何でしょう?
『一人一人が能力を発揮し、相乗効果で、組織目標に対する最大の成果をあげ、成長し続ける組織のこと。』
と、私は定義づけています。
そのために大事なことは、まず、一人一人が意欲的に仕事に取り組んでいること。
次に、関係の質をあげることの2つです。
この2つの要素は、成長し続ける自走組織の『土台』です。
言葉にすると、とてもシンプルですね。
でも実行するのはなかなか大変と思う方が多いでしょう。
なぜ大変なのか?
要因はたくさんありますが、主に2つのことが考えられます。
1.組織の中には、多種多様な価値観、いろいろな性格の人がいて、思うように動かせられないから。
2.組織の人間関係やしがらみなどの中で、さまざまな『感情』があり、思うようにまとめられないから。
いかがでしょうか?
これを言い換えると。
多種多様な価値観のいろいろな性格の人たちに、自発的に気持ちよく動いてもらい、さまざまな感情をうまく利用して、同じ目的に向かう組織としてまとめられたらいいですよね?
そのやり方があります。でもその前に・・・
本当に自走する組織にしたいですか?
実は口では「自走してほしい」と言いながら、本当はちょっと複雑・・・そんな経営者も中にはいます。
その『複雑な気持ち』は、人それぞれですが、例えば、社員が自分たちの頭で考えて行動することを危惧したり、実は自走するより、思い通りに動いてほしいと思っていたりする、などの理由があります。
もし、経営者がこのような、ちょっと複雑な思いを抱えながら「もっと能動的になってほしい!」「自走する組織になってほしい!」と言っても、なかなか難しいでしょう。
だから、まず自分の会社の組織がどんなふうになってほしいのか、しっかりビジョンを描くところからスタートです。
そして『一人一人が能力を発揮し、相乗効果で、組織目標に対する最大の成果をあげ、成長し続ける組織にしたい!』と考えるなら、やり方があります。
自走組織にするやり方とは?
もし今、問題社員に困っていたり、組織の中の人間関係がうまくいっていないなら、そこをまず解決します。
そこから始めます。
そこを解決するのは、実はそれほど難しいことではありません。
解決方法はいくつかありますが、例えば。
怒りなどのマイナス感情を大切に扱って、そのマイナス感情をアンテナに自己対話を深める関わりをすることで、本当に大事にしている価値観を『言語化』することができます。
その言語化により、ほとんどの問題社員や人間関係を解決する糸口が見つかります。
大事なことは、マイナス感情をマネジメントしたり発散したりするのではなく、大切に扱うと言うことです。
この『感情の扱い方』を知らないから、問題社員や人間関係の解決は難しい!と思う人が多いのです。
人は理論では動きません。
感情で意思決定し、感情で動きます。
それなのに、この『感情の扱い方』を学校でも社会でも教えていないのです。
だから、ほとんどの方が未学習。そんな中で頑張っているのが今の社会の現状です。
その次に『関係の質をあげる』ですが、関係の質とはなんでしょう?
関係の質とは、例えば、思ったことはふっと言える関係性のこと。
仲良しクラブを作ると言うことではなく、同じ目標をもった組織の中で、ミスしてしまったことや、ふと思ったアイデアなどを伝え合える関係性のことです。
1ヶ月やそこらで急にそんな関係性になることはできませんが、日々の関わり方を変えることで、少しずつ関係の質はよくなります。
それは『ありのままを受容し合う』と言うことが前提の関わり方です。
今までの教育は、一つの理想や正しい答えに人を当てはめる方法でした。
しかし、それではもう、この多種多様な価値観、不安定な社会では限界が来ています。
これからは『ありのままを受容する』ことで、一人一人の能力を伸ばし、関係の質を上げて相乗効果を起こすことが最重要です。
まとめ
自走組織とは、
『一人一人が能力を発揮し、相乗効果で、組織目標に対する最大の成果をあげ、成長し続ける組織のこと。』
そのために大事な要素が、一人一人が意欲的に仕事に取り組んでいることと、関係の質をあげることで相乗効果を出すことです。
この2つは、
『ありのままを受容する』『マイナス感情をアンテナにして価値観を言語化する』という関わり方をすることで可能になります。
時代の変化とともに教育を変えないといけない、このことに気づいた組織から成果を出しています。