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高松 秀樹

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第171回:かつての大人業界の近況

2024/03/23

仕事柄、全国各地へと足を運ぶ日々を過ごしている私ですが、訪れた各地で多くの外国人観光客の方々と触れ合う機会が増え、「観光業界」における「インバウンド需要」の戻りを感じています。

一方、「物価上昇」などの要因から海外旅行費用は高騰しており、「アウトバウンド」の急速な回復は見込まれていません。

観光DX促進や、OTA対策、地方創生への取り組み、さらには景気や社会醸成などの環境に左右されづらい「新たなビジネスモデル」の構築、などなど、今後の課題、改善ポイントは様々ある業界ではありますが、就職先に「旅行会社」を目指す学生たちはまだまだ少なくないようです。

そんな学生たちの背中を押せるようにと、「JTB」は2024年4月に入社する大卒以上の初任給を「3万2000円引き上げる」と発表。こちらに「地域間調整給」が加わると、首都圏の1都3県では「26万2000円」になるようです。

同社にとって「初任給の引き上げ」はベースアップ(ベア)を除くと18年4月以来6年ぶりとのことで、新卒採用市場での競争力を強化し、人手不足が深刻な観光人材の「待遇改善」に取り組むようです。

同様に、「日本旅行」も2024年4月に入社する新入社員の初任給の引き上げを発表。大卒者で都内勤務の場合、従来より「3万4800円(17%)高い」24万円となり、「34歳までの社員」についても初任給の引き上げに合わせて調整するとのことで、こちらも観光業界や旅行業界の持続的成長につなげるため、「多様な人材の確保」を目指すことを表明しています。

「根っからの旅行好きじゃないと、この低賃金や不規則な勤務環境は続けられない、、」とは、業界に関わる人たちからよく聞く話。

ようやく、かつての大人気業界にも変革の兆しが見え始めてきているようですね。