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高松 秀樹

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第17回:日立の巨額買収から考える

2021/04/10

2021年3月31日。日立製作所が96億ドル(約1兆円)を投入し、シリコンバレーの新興ソフトウェア企業を買収することを発表しましたが、市場では大きな話題になっています。

2003年に米IBMからHDD部門を約20億ドルで買収したものの活用できなかった過去もあり、批判の声も多くあがっているようですが、今回買収する「グローバルロジック社」は、企業の「デジタル化支援のソフト技術」に大きな強みがあり、日立にとっては自社及び顧客から各種データを回収し、AI処理によって、より有益な「オペレーションの実現」や「ソリューション提案」につなげたいとの狙いがあるのです。

本来、このようなソフト基盤は、自社開発、またはスタートアップ企業との共同開発が望ましいとされていますが、「製造業のAI化」において、グローバル市場での日本は大きく後れを取っている状況であり、今回の巨額買収にはグローバル市場への危機意識、製造業のAI化への日立の「強い意気込み」を感じます。

経産省からのレポートにもある「2025年の崖」が近づいていますが、最大で年間12兆円の経済損失など生じないよう大手企業の変革を願っています。