マラソンや駅伝で席巻している高速シューズ。
かつて競泳で記録ラッシュとなり規制が入った高速水着。
厳しい勝負の世界において1秒を削る努力を道具の面からサポートする。
スポーツの世界では道具の進化は切っても切れない関係です。
そして今、私が気になっている進化した道具は「飛ぶバット」です。
私もかつて草野球を楽しんでおり、
飛ぶバットが発売された頃、チームに1本、飛ぶバットがありました。
ミートポイントの素材が違い、反発力が高くなる仕掛けが施されています。
普段使用しているバットより反発力があるため、
同じ捉え方でもボールをより遠くに飛ばせる、そんなバットです。
当時の私は半信半疑でしたし、長年愛用していたバットがあったので
使用機会になかなか巡り合いませんでした。
ですが、大事な大会の終盤の緊迫した場面で打席が回ってきた時、
ついに禁断の飛ぶバットに飛びつきました。
一打逆転のその場面。
ストレートを振りにいったところ、少しこするような形でボールの下側を打ちました。
感触的には良くなく、単なるセンターフライくらいかな、と思った打球が、
バックスクリーン手前まで伸びました。
結果はセンターフライでゲームセット、でしたが、
チームメイトからも驚かれるほど遠くに飛んでいました。
そこからは道具に頼り草野球を楽しみましたが、きっちりミートしなくても
遠くに飛ばせるのは、確かに楽しいですが、このバットでないと楽しめないかもしれない、
という気持ちにもなりました。
おじさんの草野球レベルであれば良いかと思いますが、
この飛ぶバット、今は少年野球で利用されているケースが多いそうです。
1本4万円ほどもする飛ぶバット。
遠くに飛ばす、ヒットを打つのは野球の醍醐味でもあり、
結果が出るからこそ楽しくなる、という側面もあります。
楽しくなるから野球を継続してくれることもあるでしょう。
しかし、中学年代では飛ぶバットの使用は規制されているそうで、
道具に頼り切っていた少年は、中学年代で壁に当たり、
野球が楽しくなくなり、結果辞めてしまうというケースもあるようです。
道具の進化は一長一短。
利用できる道具、ツールは活用していくのが良いでしょう。
ですが、道具に頼らない本当のスキル、技術を身につけることが何よりも大事であると、
道具の進化が教えてくれているように思います。
仕事においても技術・スキルの向上に目を向けていきたいと思います。