今回は、私の仕事の根幹であります人事の仕事について、少しお話ししようと思います。
人事の2大仕事と言えば人材の「採用」と「育成」です。
これは、一体どちらがより大事なのでしょうか?
結論を先に言ってしまうと、私の答えは「どちらも大事」です。
「それでは答えになっていない」とおっしゃるかもしれませんが、私は基本的に優劣はつけられないと思っております。
なぜここで、最初にこのようなお話しをさせていただくかと申しますと、実際に人材を採用・育成しようとなって業者に依頼をかける場合、それぞれ別の企業にお願いすることが多いのですが、そうなった際にある問題が発生しやすいからです。
その問題とは、依頼をかけた業者の言動に「右往左往する」ことです。
つまり、人材ビジネスの会社は採用の方が大事だと言うし、研修請負会社などは育成が大事だと言う。
お互いがより多くの売上が欲しい中でお客さんの取り合いとなり、結果、顧客を振り回してしまうといったことが多々あるからです。
先ほど私の答えは「どちらも大事」だとお伝えしましたが、「究極どちらなのか?」と聞かれたならば、時系列的に言うと採用が先なので、「あえて言うなら採用」と答えます。
ですがこれは、数字で表すならば「51:49」という、ほんのわずかの違いでしかありません。
これは例えて言うなら料理と同じで、いくら腕があっても素材が悪ければそれ相当の料理になってしまいますし、素材が良ければ料理の腕前がそこまででなくてもそれなりの料理になる、ということなのです。
人材の採用・育成をする上でよくある誤解というのが、
「どういう人を採用しようが教育さえすればそれなりの人に育つ」という考え方と、
逆に「採用でちゃんと良い人を採れば、教育しなくても人は育つ」という発想です。
こういう両極端の 考え方で採用・育成を行っていくと、育つものもキチンと育たなくなってしまいます。
「採用」だけに力を特化すればいいわけではなく、また、入社してからが「育成」の始まりということでもありません。
まずは、
採用にしろ育成にしろ、キチンとした計画を立てること。
その計画をもとに、基準に則った人材を採用すること。
採用したらしたで、入社するまでの半年以上の期間を無駄にすることなく、いかに社会人としての基礎力を形成させるのかに心を配ること。
採用と育成を対立するものとしてではなく、車の両輪と捉え、良い素材を獲得しそれを育成してゆくという環境作り、体制作りを整えること。
それこそが、人材を受け入れていく上で何よりも大事なことなのです。