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星 寿美

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第67回 手強い部下の成長は、こちらの信頼度によって大きく変わる!

2022/07/25

人や周りのせいにして、上司や会社と敵対してしまう『思考癖』のある社員。
もう「お手上げ〜」と感じてしまうような困った社員がいたら、あなたはどうしますか?

自分視点が強く、上司や会社の意思決定を悪い意味にとって「こんな会社、やってられません!」と攻撃的になる・・・

そこで、丁寧に「会社のことも社員のことも考えた上で、これこれこういう理由、
こういう意図で、この意思決定なんですよ。」などと説明したとしても「経営者側の人間の言うことなんて信頼できない!」と対立姿勢。

よくよく聞くと、前の会社も、その前の会社も「こんな酷い会社だった!」と恨みつらみ。相手を悪ものに仕立て上げて、自分を正当化し、被害者意識が強い・・・。

たまぁ〜にいます。
そんな人が入社してしまったら・・・面倒です。(面接時に見抜く方法はありますが、それはまた別の記事で書きますね)

このような人は、自分の『思考ぐせ』に自ら気付かない限り、人をかえ、環境をかえ、ずっと似たようなことを繰り返します。
会社がどう、上司がどう、ではなく、本人が、そうなるように世界を作っていると言っても過言ではありません。

「いるいる!そう言う人いるよ。もうお手上げだよね。なんでも悪くとって敵対されちゃぁ・・・。」

そう思ってしまう気持ち、よくわかります。

けれど、どんなにそう言う人であっても、成長の余地はいつでもあるのが人なんです。
だから、面白い!じゃぁ、どうしたらいいのでしょうか?

・関わり方次第で態度が変わる
・信頼度によって成長度が大きく変わる

この2つの視点から説明します。

関わり方次第で態度が変わる

全く同じ人間でも、関わり方によって相手の態度が変わります。
こちらが、ムスッとしていたら、相手も硬くなるし、こちらが満面の笑みだったら、相手も笑顔ですよね?

なので、もし相手が敵対する面を出していたら(その人だけがそうで、他の人とは問題ないとしても!)こちらの関わり方を見直す必要があります。

その人が関係ない他人であれば、ほっとけばいいですが、もし部下だったら?成長して成果も出してくれないと困ってしまいます。
だから、それは自分のためでもあるのです。

「その人の、その側面を引き出しているのは、自分にある」

リーダーは、この意識、すごく重要です。
そして、相手が敵対する在り方できても、こちらは、そこに引っ張られたり、まして乗っかってはいけません。

相手の人生劇場に付き合う必要はないのです。

「あぁ、敵対しているんだね。」と相手をありのまま受容しましょう。
そして、そのまま「私は、あなたが敵対しているように感じますが、実際はどう考えているのか教えて欲しい。」と、相手にとっての事実を、理解する努力をしてみましょう。

敵対しているやつだ!と感じるまま見えるまま決めつけるのではなく「私からはそう見える」と言う、自分にとっての事実を伝えて、相手の本音を聴くことが大切です。

多くの人は、感じるまま見えるまま「この人はこうだ!」と決めつけてしまう。
だから、どんどんこじれてしまうんです。

どんなに、こちらからはそう見えたとしても、決めつけない。
そして「自分からはこう見えるけれど、本当はどうなの?」と・・・

相手のことを決めつけずに、理解する対話を深めることです。
そんな関わり方をするだけで、まず対話の内容も変わります。
決めつけた前提の対話ではないからです。
だから、関係性に変化が起こります。

ほんのちょっとした『関わり方(相手を決めつけない)』を変えるだけで関係性が変わり、相手の態度が全く違うものになります。ぜひ試してみてください。
まずは、相手を決めつけていないかどうか、チェックするところから!

信頼度によって成長度が大きく変わる

リーダーの方から「もう、あいつはお手上げだ!」「あいつは気付かないよ!」「もう無理!」などと、聞くことがあります。

もちろん、気持ちはよくわかります。
相手の態度や言動に怒りを覚えたり、悲しさを感じたりしながらも、頑張って対応されてきた結果の今ですから。
リーダーの方々は本当によく頑張っていて頭が下がります。

でも、1つだけ。
人は、たった一人でも本気で信頼してくれる人がいれば変われます。
それがいつかは分かりません。

でも、今この瞬間、どんなに酷い状態だとしても『きっとこの人はちゃんと自分と向き合える日が来る。自ら気づいて成長できる』と心から感じて接することです。

もしかしたら、自分自身の黒歴史があればあるほど、目の前の人に対しても「いつか気づけるよ」って思えるのかもしれません。

「あぁ、自分も10代の頃は本当に周りが見えていなくて、周りに牙を向いていたなぁ」
「20代の頃はよく人と戦っていたなぁ」

私のことです(笑)・・・
でも人との出会い、人との関係性の中で成長できたし、これからも成長し続けていきたい!そう思えるから。

目の前の人が敵対し、悪態ついてきても(その瞬間はムカつくけれど)心から信頼することができます。
昔の自分よりマシだし、昔の自分は、そうなる理由があった。
みんな誰もが、それぞれの理由を抱えているのだ、と思えるのです。

もちろん、そんな過去が全くなくても、そもそもの視点が高く、

「目的のために、目の前の感情に振り回されることはしない。最善の方法を試し続けるだけ」と考えられる人もいます。

いずれにしても、目の前の人が繰り広げる、その人が作る「人生劇場」に振り回されず『望むゴール』と『なんのために、その人と関わっているか』を見失わなければ、もうそれだけで、結果が大きく変わります!

なぜなら、人は無意識で「期待に応えよう」とする習性があるからです。
こいつはダメなやつだ!と思えば、ダメなやつに。
この人は成長すると信じていれば成長したくなります。

その期待は、どんなに表面を取り繕っても、態度・言葉・雰囲気に現れます。
心の奥底を、お互いに感じ取りながらコミュニケーションをとっているのが私たちだと思うのです。

目の前の、今この瞬間の相手を見るのではなく、プロセスの一瞬なのだと捉えて、相手の成長を信じる関わり方。
それが大きく結果が変わることだと、人生を通じて、仕事を通じて、私は実感していますが、あなたはいかがでしょうか?

(追伸)
少年院から出所したばかりの18歳。
コンビニ前でタムロってる刺青・ピアスの若者たち。
敬語どころか、遅刻を注意しただけで胸ぐらを掴んでくるような人たちが、成長していく実話があります。

実は来月、大阪の建築業の社長(2年半ほど自走組織育成で関わっている)が、本を出版します。
その本の中で描かれている、それらの実例を、出版前に読ませていただき、こちらの『関わり方』が大事か改めて再確認できました!
このような組織に関われて、私も幸せです。

遅刻を注意しただけで胸ぐらを掴んでくるような人が、2年後には、現場を回し、新人を育成するまでに育って、独立までしちゃったんです!
他にも成功・失敗事例がたくさん!
来月、出版のお知らせできることを楽しみにしています!