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塩崎 俊樹

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【第78回講座】聴く為に必要な質問力

2022/06/09

前回の講座の中で、リーダーが部下と関わる際に大切なことの一つに「話すな!聴け!」がありました。
聴くを実践する為には、何が必要なのか?
そこには技術が必要になります。聴くことは技術なのです。
知識を入れないままに聴くことを実践することはほぼ不可能だと思うくらい、難しいことです。

2つの質問

聴くを実践していく上で必要な技術の一つに質問力があります。

質問の仕方を知っているか?
これ次第で聴くことは大きくその成果が変わってきます。
多くの人が質問の仕方を知らない為、ついやってはいけない聴き方をしており、それが相手が思うように育ってくれない原因にもなっているのです。

2つの質問にはオープンクエスチョン=開かれた質問とクローズトクエスチョン=閉ざされた質問があります。
この違いと使い分けの必要性を理解して、使い分けができないと、聴くことはできません。

オープンクエスチョン=開かれた質問

オープンクエスチョンは、答えが相手の中にある質問です。
相手が自由に答えを選んで答えることができるのです。例えば、「このお菓子はどうかな?」「昨日はどうだった?」「好きなものは何?」などです。
この質問は相手が答えを出す為、コチラの考えを相手に強要しないで、相手の本音を引き出しやすい効果があります。
さらに相手との信頼を築く効果があります。
 
ただこの質問は普段使っていないことが多い為、トレーニングが必要である。
相手との距離感に応じて、質問の幅を変えていかないと、相手に質問をしても、全く答えが返ってこない状態になり、逆に信頼を失う可能性もあります。
大切なことは、とにかく意識して使っていくこと。
意識して使っていくことで、相手との距離感を掴み、少しずつ改善を重ねて、自分なりの質問の仕方を見つけていくことが大切です。

僕自身もこの考え方に出会う前はオープンクエスチョンがほぼできていませんでした。
しかし、意識して質問を重ねていくことで、今では面談やミーティングの時はほぼオープンクエスチョンを使っています。

クローズトクエスチョン=閉ざされた質問

オープンクエスチョンが開かれた質問であるのに対し、クローズトクエスチョンは閉ざされた質問。
つまり答えが制限されている質問であります。
例えば、「はい」または「いいえ」や「あります」または「ないです」などのような回答しかできない質問は全てクローズトクエスチョンであります。
「俺が言ったことわかったよな?」「このことは伝えたことがあるよな?」といった感じの質問です。

この質問の時は、すでに答えをコチラで決めているのです。
自分が意図した回答が来ないと、相手を攻めてしまう可能性を相手に感じさせてしまいます。
相手は、「はい」「あります」と言った回答をしないと怒られると思い、心の中では「いいえ」「ないです」でも、表面上は「はい」「あります」で回答しているケースが多く見られます。

この質問をしていくと、相手との関係性はどんどん悪くなります。
どんどん本音が言えなくなり、イエスマンしか育たない…そんな状況になる可能性もあります。

このクローズトクエスチョンは使うタイミングが決まっています。
それは、相手が決めたことに対しての確認質問です。
例えば、「目標は先ほど決めた●●でいいかな?」といった質問です。
この場合は相手が決めたことに対する質問である為、回答の答えは相手の中にあります。

割合は9:1を目指そう

オープンクエスチョンとクローズトクエスチョンの使用割合は、9:1を目指すことが大切です。
ここまで行くのは大変ですが、意識して目指していくことで少しずつ着実に使えるようになります。
焦らず、一歩一歩チャレンジしてみて下さい。

☆今日の質問☆
あなたは部下と対話をする際、どんな質問で始めていますか?