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星 寿美

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第56回 インナーチャイルドの癒し方

2022/05/09

私は心理学の専門家ではありませんが、人生のプロセスで、自分自身のインナーチャイルドが癒されたと実感できたことがあり、参考になればと思って、そのことを、下記の項目に沿って書いてみたいと思います。

①インナーチャイルドとは?
②解決事例〜私の場合〜
③まとめ:肝は自分を生きること!

①インナーチャイルドとは?

インナーチャイルドとは、大人になっても変わらないまま続いている、子ども時代の思考パターンや習慣を指す言葉だそうです。
主にネガティブな文脈で使われることが多いとのこと。

インナーチャイルドを最初に提唱したのは、ジョン・ブラッドショーというセラピストだと言われており、1993年に彼の著作「インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法」という本が大ヒットしたことにより、インナーチャイルドという概念は世界中に広まっていった、ということです。

②解決事例〜私の場合〜

いくつか思い当たることがあります。

まず、私は幼い頃、父親と触れ合うことがなかったし、両親がいつも憎しみあって殺伐としていたので、親の顔色を伺って気を使ってばかりいて、親に甘えることはできませんでした。

そして、社会人になり、公園や道などで、父親と子どもが手を繋いでいるのを見るだけで、胸がぎゅーっと苦しくなることが多かったのです。
そのような場面を見るだけで苦しくなったり、もやもやしたり・・・多分、これが私のインナーチャイルドの1つかと思います。

20代、30代は、ずっとそのような症状に苦しみつつも、特にカウンセリングを受けるわけでもなく、どうしたらいいのか分からなかったのです。

そんな私が36歳で子どもを産んで、シングルマザーになりました。
そして、子どもを育てるプロセスで、すっかりインナーチャイルドが癒されていったのです。
もちろん「子育てがインナーチャイルドに効きます。」なんて話ではありません。

きっかけや経験そのものは、なんでもいいのだと思います。
私はたまたま子育てだったというだけで・・・

両親が憎しみあっていて、どちらからもお互いの悪口を聞いて育った私は、恋人や夫婦という関係を全くイメージできずにいました。
嫌な関係、地獄、とすら認識していました。
パートナーシップが理解できないまま社会人になっていたのです。

ただ、子どもに対しては無条件に『ただただ愛しい』という感情が湧きました。

その対象やキッカケは人によって、恋人・仕事・趣味・ペットなどなんでも良いと思いますが、私はたまたま、子どもを愛しいと感じることができました。

そして、子どもの頃にして欲しかった『存分に甘えること』や『スキンシップ』など、子どもに対してしているうちに、気づいたら、す〜っかりインナーチャイルドが癒されていたのです。

欲していることを、やり尽くすことが大事なんだなぁと実感しています。

他の事例もあります。
これは少し恥ずかしい話なのですが、私は10代のころ、セーラー服を着たかったのです。
でもセーラー服が制服の学校に落ちてしまい、ブレザーの制服の学校に通いました。

30歳を過ぎたあたりで「あぁ、やっぱりセーラー服が着たいなぁ」と思い、ある時、意を決してセーラー服を購入しました。
そして、仕事の時以外は、毎日セーラー服を着ていました。
時代は今から25年も前ですから、まだコスプレなど全く流行っていない頃です。

数ヶ月経つ頃、もう全くセーラー服を着たいと感じなくなっていました。
この時も「あぁ。やり尽くすことって大事だなぁ。もう満足!」と、感じたのでした。

③まとめ:肝は自分を生きること!

これらは、あくまでも私の事例なので参考になるかどうか分かりません。

でも、親に甘えられなかった(甘えたかった)感情は根深く、日常生活でふと見る光景に、胸が苦しくなり、なんとも言えない感情になり、とても大変だったんです。
他にも、いくつもあった私の『インナーチャイルド』は、ふと気づいたら、自然に癒されていました。

まとめると、
まず大事なのは『インナーチャイルドをなんとかしよう』というように、インナーチャイルド自体に気持ちをフォーカスしないことです。

他の記事にも書きましたが、フォーカスしたことが拡大しますから『インナーチャイルドをなんとかしよう』としてしまうと、長引いてしまうのでは?と私は感じています。

それよりも『あぁ、私はお父さんと子どもが遊んでいるのを見ると、すごく胸が苦しくなるな。』とちゃんと自分の感情を感じ理解する。
そういうことを抱えながら生きているのだと実感することが、まず第一歩だと思います。

それから、自分が自然に感じること、自然にやりたいこと、をとことんやり尽くすこと。

これは別にインナーチャイルドを癒す目的でやるのではなく、ただ、心から溢れる感情のまま、自然に(子どもが愛しいと感じるとか、セラー服が着たい!などのように)やること。

自分の感覚に素直になる。そして実行する。

すると、ふと気づいた時に「あれ?そういえば、最近モヤモヤしなくなったな。」と感じていると思います。

これを「インナーチャイルドを癒すためにするべき」とやってしまうと、効果は出ないような気が私はしています。

結局は、
『自分の感覚を信じて、自分自身を楽しみ尽くすこと』
なのではないでしょうか?

子どもの頃に育てられなかった感情は、大人になって、自分自身を生きることで、自分を育てる直すことができるのだと私は実感しています。

少しでも参考になれば幸いです。