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益田 和久

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第53回 書く力

2022/03/10

私が社会人になった約30年前は、他人とコミュニケーションをとるときは、会うか電話が主体で、その補足として手紙やFAXを使っていたという認識です(あくまで私見)
鹿児島の両親に「電話すると高くつくから何か用事があったらFAXで連絡しなさい」と言われていたのを思い出します。
その後、E-mailが広く浸透し始めて、携帯電話でもメールが送れるようになり、LINEをはじめとするSNSツールの出現により、今やコミュニケーションの主体は「文書」ではないでしょうか。
人に会う日がなくても、何らかの形で人と文面でやりとりすることはあると思います。

仕事柄、いろんな方々とメールやSNSでやりとりをしますが、日によってはその処理対応にかなり時間をとられて、ストレスを感じることがあります。
時間を取られている原因はそもそもの処理量の問題もありますが、いただいた文面が“理解しづらい、長い、回答になっていない”ことで、処理そのものに時間がかかることも多々あります。
何度もやりとりして埒が明かないときには、最後は電話で確認することになるのですが、最初から電話で聞けば良かったと後悔することもよくあります(苦笑)
今後、仕事における文書コミュニケーションの割合が増えることがあっても減ることが考えられないので、事ある毎に「書く力」を強化する必要性を感じています。

書く力については、2つあると思います。
一つは文書構成、もう一つは語彙力。
特に文書構成は重要だと思います。
やたらと長い文書の場合は、文書構成ができていない場合が多いです。
書き手が頭にあること、言いたいことを思いつくまま書いているから、とにかくまとまりがない。ビジネスコミュニケーションは「結論、結果から伝える」のが基本中に基本であると、だいたいの人は社会人スタートの時点で指導されるはずなのですが、長い文書はなかなか結論が出てこないのです。
相手に敬意を表すために、とても丁寧に伝えようとしているのはわかるのですが、丁寧に過ぎるが故に文量が多いと、読み飛ばすのも申し訳なくて読み疲れすることがあります(苦笑)
「件名・結論・論旨」を先に伝えてもらえるとありがたいですよね。

語彙力というのは、いわゆる「言い回し、物言い」です。
明瞭簡潔に伝えようとするほど「表現力」は必要になってきますよね。
例えば研修の様子の報告で「積極的に参加していました」という記述があった場合、多くの受講者が講義中に挙手して質問をしたり、席が近くの人と活発な意見交換をしている印象を受けます。
しかしながら、実際の様子をお聞きすると、講義聴講時は適宜適切な反応をして、グループ実習時は万遍なく意見交換に参加していたという状況だったりします。
この場合は、「研修で行われる全てのことに対して、真摯な姿勢で参加していた」という表現のほうが近いのかもしれません。
写真や動画を添付すれば、より正確に伝えることができますが、出来る限り言葉だけで伝えられるようにしたいものです。

上記2つの力をアップするには、書く練習を重ねることが最大の近道だと思いますが、その際、字数制限をしてみる、横文字を使わない、要点を3つにまとめてみる等の工夫を加えることが大事かと思います。
こうやってコラムを書きながらも、自分の文書作成力のなさを嘆いてしまいたくなりますが、日々是鍛錬でスキルアップをしていきたいと思う今日この頃です。