社業とは別に「日本オンライン講師アカデミー」の理事も拝命している関係から、オンライン研修(教育・会議)の導入、運営のご相談もいただきます。
オミクロン株による感染の急拡大もあり、研修や会議を対面で行うことのリスクが懸念される状況で、オンライン導入に重い腰をあげた企業や団体も増えてきました。
ご相談についても、導入する意欲は高いが物理的環境整備が追いついていないところもあれば、物理的環境整備は難なく進められそうだけど、ご担当者様が導入にそれほど積極的ではないところなど、お客様によって様々です。
お客様の現状に合った形で支援させていただく過程で、改めて感じたことは「何(どういったこと)がやりたいのか」が明確にあると、支援もしやすいし、形になっていくのも早いということです。
オンラインコミュニケーションについての経験やリテラシーには関係なく、やってみたいことや解決したいことをストレートにぶつけていただいたほうが、こちらも提案がしやすいですし、これまでの導入事例から最も近いイメージのものをご案内しやすいです。
またアドバイスをした後も、ご提案した内容をすぐに試してみて、うまくいってもいかなくてもすぐに状況を報告してくださいます。
加えて「こんなことできますか」という更なる可能性を追求した質問もきます。
環境や予算等の制約条件についても、その制約を外すことで出来ることも積極的に聞いてこられます。
それは一気に質問がくるということではなく、一つひとつ形になっていくと、それがきっかけとなって次のステップに進んでいくようになります。
一方で、「会社の上層部から言われたので」や「とりあえずオンラインの準備をしておきたくて」というご相談の場合は、先に進まないことが多いです。
他社様のオンライン導入事例を紹介すると一生懸命聞いてくださるのですが、「うちだと難しいなあ」「そこまで必要かなぁ」「しばらくしたらコロナも収束しそうだしし」等々、なかなか乗り気になってくれません。
必然的に、その後の導入状況を確認しても「進められない理由」が先行してしまい、なかなかゴールに辿り着かないといった感じです。
このやりとりをしながら、ふと思い出したことがあります。
以前パソコン教室の先生方と懇談したときのことです。
ExcelやWordの講座を出張形式で展開されているのですが、一番習得が早いのが、既に仕事をリタイアされたお年寄りの方々で、習得が遅いのが会社の管理職の方々だと言われていたことを思い出しました。
お年寄りの方は年賀状を作成したい、町会の会計をExcelで作成したいという強い願望があるので、回数を追うごとにどんどん上達していくそうです。
講義の後には必ず質問にも来られるそうです。
ところが会社の管理職の方は、受講しても職場で部下の方に任せてしまい、結局は自分でやらないから習ったこともなかなか覚えないようです。
やはり人間のスキル向上には、もっと知りたい、上達したいという意欲が不可欠なのだと実感します。
多くの方に、オンラインの良さを知っていただくためにも、導入してみたいと思わせるような説明や事例紹介を、もっと勉強しないといけないと思う今日この頃です。