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豊岡 厚惠

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第29回  言葉を変え、愛ある言葉を発する

2022/02/16

前回はいかに思いを「言葉にして伝える」ことが大切かをお話いたしました。

皆さんもご存知だと思いますが

言葉は言霊といって、エネルギーを持ちますね。

人から投げられた たった一言の言葉に勇気づけられ、また頑張ろうと思えたり、
逆に
人のこころない言葉に傷つき、奈落に底に一瞬にして落された ということもあります。

これらは誰もが経験していることではないでしょうか。

相手を思って投げる言葉、
ねぎらいの言葉や、愛ある言葉は

相手を生かすだけではなく、伝える側も元気になれるのです。

善き思いが循環するからでしょうね。

言葉一つで、相手がヤル気になれたり、元気になれるのでしたら
出し惜しみせずにどんどん発していきたいものです。

日本人の男性は、別に言わなくても・・・とか、

そんな誉め言葉を言うのは恥ずかしいよ、
とおっしゃる方もいるのですが

恥ずかしいとか、言っている場合ではないんですよね(笑)

この部下に成長してもらいたい。
目の前の社員スタッフに更に輝いてもらいたい

と思えば、

自分がどうこう・・・より

相手のために言える、
伝えられる、

ということが大切ですね。

ベクトルを自分ではなく、相手に向けて
まさに今、この目の前の相手が良くなるために、

「良いと思ったことを良い」と口にする。

ただそれだけで相手が笑顔になれるのです。

これも「誉認励(よにんれい)」なのです。

実際に私のクライアントさんで
数店舗のお店を経営する菓子製造販売会社さんの話しです。

出来すぎる経営者さん故に、スタッフの至らないところが
常に目に付くのです。

良かれと思って、スタッフにその都度注意をされていたのですが、

社長の口からはいつも、「できないことの指摘」でした。
どんどんスタッフの表情が曇っていきました。
同時に売り上げも落ちていました。

そのうちに戦力だった女性スタッフがそんな社長と対立し退職したのです。

そのことがあって、社長とじっくり話をしました。
私からの提案は

・スタッフをねぎらう事
・良いところをみつけて口にして誉める事
・スタッフにしてもらったことに対して社長のレベルに達していなくても
ぐっとこらえて指図しないこと

この3つだけを実践していただきました。

するとどうでしょう。
1ヶ月が過ぎ、2ヶ月、3ヶ月が過ぎたころ、スタッフに変化が出始めました。

表情が明るくなり、声も出ているではありませんか。

売上も回復の兆しが見え始めました。

社長はおっしゃいました。

「自分だったんですね」

その言葉に感動したのを覚えています。

自分の言葉がスタッフのヤル気をなくさせてきていた。
そして、
また自分の発する言葉で、スタッフがヤル気になってくれた。

そのとても大切なことに気づかれたのです。

ブラボ―!です。

この会社さん、今はどうなっているかと言いますと

スタッフそれぞれが自ら主体的に、自分の得意なこと買って出るようになりました。

・チラシを作るのが得意な人、
・商品のポップ作りが得意な人、
・商品の陳列や企画が得意な人、

なんと、スタッフ自らそれぞれの「得意」なことをやりだしたのです。

チラシのデザインはまるでプロの仕事でした。

商品の陳列も、ポップも工夫があり、皆が楽しんで仕事をするようになり
売上がこのコロナ禍でも落ちていません。

スタッフにファンがついてしまいました。

そうなのです。

経営者自ら言葉を変え、愛ある言葉を発することで、

こんな風にスタッフが変わっていき、ファンがつき、売上げが上がっていったのです。

今回も
最後までご覧いただきありがとうございました。