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長谷川 満

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第57回 組織をつくるには組織図をつくりなさい!

2022/01/12

中小企業のお客さまの中には、
支店や店舗をいくつも持ち、
「組織づくりが上手くいかない」と
悩んで相談される方が多くいらっしゃいます。

多くの中小企業の経営者は、
かつてサラリーマンを経験していて独立したとか、
事業承継されたという方がいます。

そこから社長になる人はほぼ、
自分に営業力がある人か、
ものづくりなどの技術職に分かれます。

いずれにしても、中小企業の経営者は、
自らが何らかの能力に秀でているものです。

営業が強い社長は、
本業を広げることに長けています。

一方で技術職の人は、
自らはあまり営業ができなくても、
お客さまは、技術力に惹かれて、
オファーが途切れません。

ただ、技術屋タイプの社長は、
組織を拡大するのが苦手な傾向が見られます。

お客さまから求められて、仕事が増えていくにつれ、
組織を広げていく必要がありますが、
なかなか組織づくりが上手くいかないものです。

そういう中小企業経営者は、
「人を雇おうにも良い人材などは
簡単には見つからない」
と思い込んでいるものです。

「人はなかなか育てられない」と、
自分の中で勝手に基準を決めてしまうのです。

ですから、そういう経営者には、
誰かが働きかけて、
その狭まっている思考を、
広げてあげる必要があります。

このように、経営者のタイプによって、
アプローチの仕方も変わります。

大切なのは、社長に現状を認識
していただくことです。

「社長ありき」になっている会社の組織は、
いづれ疲弊していきます。

社長に何かあった場合、
会社と社員はどうなるのでしょうか?

大事なのは、会社の大きさではなく、
組織がしっかりしているかどうかなのです。

その会社の組織がしっかりして
いるかどうかの目安の一つは、
組織図があること。

組織図をつくる意味は、役割の「明確化」です。

何となく組織がある。

会社が小さい時はそれで良くても、
人数が増えるに従って、
そこには無理が出てきます。

それをちゃんと図にして落とし込まない限り、
人の頭の中は考えていることが違いますから、
役員、社員、管理職と、
誰も会社の本当の姿を理解できません。

そうなると、たとえば社員が、
本来やるべき業務をやっている
ようでやっていなかったり。

または違う人が同じ仕事をして
いるような事態となって、
効率が悪いのです。

そうした事態は、
曖昧さが招いたものです。

それは、人に仕事が付いている状態です。

何か問題が発生しても、
「この人が解決してくれるだろう」となり、
結果、対応が後手後手に回ります。

これでは、治療人事の状態です。

「人ありき」を「仕事ありき」
という体制に変えていく。

それが組織づくりであり予防人事なのです。