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長谷川 満

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第56回 【損失大】人材の早期離職をなくしていくには?

2022/01/05

人事のお困りごとの中で、
中小企業は、「早期離職」という
問題に直面することがある。

新卒社員やキャリア社員が、
「早期離職」するのは、なぜなのか?

端的に言うと、
入社後に入社前に聴いていたことや
イメージなどとのギャップを感じるから。

特に、新卒社員に関しては、
仕事を知らないところから入社してくるので
実際の仕事に入ってからギャップを感じることが
出てきやすいように感じます。

実際、人材採用をしていく上で、
企業側が求人の募集を行い、
学生さんなど求職者の応募の
ミスマッチングが起きてしまうのは、
ある意味避けられないことです。

ただ、可能な限り、
ミスマッチングが起きないようにしたいもので、
ミスマッチングをおさえていくことは可能です。

そこで、どういう企業がミスマッチングを起こし、
繰り返してしまうのかを考えてみたいと思います。

まずは、
「自社の良い点のみ伝えれば、
応募者は会社の良さを感じて入社してくれる」と
採用担当者が勘違いしている場合です。

人間だれしも、
「自社の悪い点」をあえて言いたい人は、いないと思います。

そして、「自社の良さ」
をわかって欲しいという気持ちもわかります。

けれど、大事なのは
「採用前と採用後のギャップを、
どれだけ少なくできるか?」ということ。

そのためにはギャップを減らすための仕掛けを、
人材採用の仕組みの中につくっていく必要があります。

たとえば
・自社でまだできていないこと
・自社の欠点
・条件が他社より劣る点
といったことを、相手に誠実に伝えていくこと。

自社にとっては、デメリットの領域なので、
これがなかなか言えないのです。

自社の弱点やまだできていないことなどを
認めるというのは、勇気のいることです。

特に人材採用担当者にとっては、
人材を採用することが評価の対象となるので、
万一、予定の人数を
採用できなかったことを考えてしまうと
プレッシャーがかかることでしょう。

そうすると人材がなかなか集まらない場合、
採用基準を落としてでも
人員を確保しようとしがちになります。

これが、人材採用のミスマッチングを
誘発する要因になります。

まとめますと
・採用基準があいまい
・会社説明会などに集まる人数や人材採用担当者などによって基準がブレる
・伝え方が一面的で、応募者に自社のネガティブな面をきちんと伝えていない
といったことになります。

応募者にとって、入社前の会社の情報は
知り得ることが限られているため、
採用担当者の話は入社を決める際の
重要な判断基準となります。

応募者は会社説明会や面接時に見聞きした情報から、
入社後の姿を想像し、入社するかどうかを判断します。

ここで万一、
応募者が良い話しか聞けていないとなると、
その分、実態とのギャップが大きくなり、
入社後の失望感につながりやすくなります。

短期的な視点で言うなら、
確かに人材が入社してくれないと
話にならないということは言えるでしょう。

けれど長期的に言うと、
せっかく多額の費用をかけて採用したにもかかわらず、
早期離職をされてしまっては、
どのみち経費の無駄遣いに変わりはないワケです。

大事なことは、
「まずは入社してもらう段階で
自社に賛同してくれる人を採用する」こと。

結局、これがもっとも離職率を
低くする方法なのだと考えます。