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伊藤 洋

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第18回 沈黙の螺旋状モデル

2021/08/16

今回もコミュニケーション理論のお話しです。

タイトルにあるように「沈黙の螺旋」という理論です。

ドイツのノイマンさんという方が、これまた選挙投票行動の分析から導き出した理論です。

ある人が、投票を決めていた候補者が優勢だという世論調査をメディアで確認すると「自分もこの人に投票するつもりだ」と『意思表示』の度合いを増し、逆に自分が投票しようと思っている候補者が劣勢だと認識すると、自分の意見をますます『隠す』という結果が出たそうです。

これって、皆さんも心当たりあるんじゃないですか?
自分自身にも過去にこういう気持ちになったことがあるかもしれませんし、皆さんの周りでこういう人がいたかもしれません。

職場の会議で、周りの意見が自分の考えと一緒だと「私もそう思います!」と胸を張って言ったりしますが、「あれ、この案はちょっと違うんじゃないか?」と思っていても、周囲の意見がそうじゃないと察すると発言しにくくなることってありますよね?

これは多数派から拒絶されることへの「恐れ」からきていると言われています。
ある意味自分の身を守るために脳が判断しているんです。
人間の脳には「ホメオスタシス」(恒常性)が働くからです。

そして、自分が少数派だと認知していながも自分の意見をハッキリいう人を「ハードコア」と言います。

一人ひとりの個を大切に考えるならば、この沈黙の螺旋をシステムを使って減らしていくことが重要になって来ると思いますし、イノベーションを起こすにも、沈黙の螺旋を減らす必要があると僕は思います。