パンタグラフといえば、電車の屋根から上に伸び、架線に触れて電気を受け取るもの。
ところが、今回の主役はバスです。
しかも、パンタグラフはバスの屋根から伸びるのではなく、充電設備から下りてきます。
停車したバスの屋根に接触すると、約10分で充電。
京急電鉄が公式Xで公開した動画には、そんな少し不思議な光景が映っています。
この取り組みを進めているのは、京急グループの川崎鶴見臨港バスと、東芝、Drive Electro Technologyの3社です。
塩浜営業所には今年4月に充電設備を設置。12月頃から、同営業所管内の路線で営業運行を通じた実証を始める予定です。この方式で充電するEVバスの公道での営業運行は、3社の調べでは国内初となります。
注目したいのは、充電の速さが、バスの使い方を変える可能性です。
環境によいバスでも、充電のために何時間も動けなくなれば、運行計画には工夫が必要です。
バスの仕事は、決まった時間に、お客様を運ぶこと。
一日の仕事の中に、充電をどう組み込むか。その仕組みまで整ってこそ、現場で使い続けられるのでしょう。
今後は、川崎駅東口のバスロータリーにも充電器の設置を目指しています。運行途中で充電できれば、補給のために営業所へ戻る必要が減り、車両を効率よく使えると期待されます。
一度の充電で、どこまで走れるか。
そこに、途中で短時間の充電ができれば、どうか、という発想が加わります。
車両だけを進化させるのではなく、街の設備と組み合わせて、使いやすさを高めていくのです。
もう一つ興味深いのは、今回の車両が、既存のディーゼルバスを改造したものだという点です。充電設備に併設する蓄電池にも、使用済みの東芝製電池を再利用しています。
新しい技術を取り入れながら、今あるものも生かす。
脱炭素の取り組みには、そんな工夫の積み重ねも大切なのでしょう。
もちろん、実際の路線での運用効率などは、これから検証する段階です。
環境性能に加え、毎日の運行に無理なく組み込めるか。その確認が、普及への一歩になります。
バスが止まっている時間にも、次の運行を支える仕事がある。
川崎で始まる約10分の充電は、地域の足を動かし続けるための、新しい停車時間になるのかもしれません。
以上、わが町・川崎からのニュースでした!