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高松 秀樹

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第291回:「近くて便利」から「わざわざ行きたい」へ

2026/07/10

ファミリーマートが東京・麻布台に初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を開業しました。コーヒーやファミチキを店外から買えるスタンド、試着室を備えた衣料品売り場、屋上緑化を含む建築デザインなど、その姿は従来のコンビニというより、カフェやセレクトショップに近い印象です。

注目すべきは、同社がコンビニの価値を「利便性」だけで捉えていない点です。コンビニは本来、近くにあるから使われる業態でした。しかし人口動態や消費行動が変わる中で、ただ近いだけでは差別化が難しくなっています。そこでファミリーマートは、「日常のついで」ではなく「目的地」になる店舗をつくろうとしているのです。

特に象徴的なのが、オリジナル衣料品「コンビニエンスウェア」の本格展開です。約300点をそろえ、専門スタッフや試着室まで置く姿勢には、生活インフラからライフスタイルブランドへ進化したいという意思が見えます。NIGO氏や片山正通氏と組んだことも、単なる話題づくりではなく、ファミリーマートを感性で選ばれるブランドに育てる試みといえます。

もちろん、すべての店舗が旗艦店化するわけではありません。むしろ重要なのは、ここで得た体験設計や商品開発の知見を、都市型店舗や全国の店づくりにどう還元するかです。コンビニの未来は、効率だけでは語れません。忙しい日常の中で、少し気分が上がる場所になれるか。FAMIMA PARK AZABUDAIは、その問いに対するファミリーマートの実験場なのです。

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