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岩田 徹

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第272回 物事の受け取り方

2026/03/06

ミラノコルティナオリンピック、
フィギュアスケート女子シングルの坂本花織選手。
前回の北京大会では銅メダルを獲得し、
その後も世界のトップを走り続けてきた選手です。
今大会を現役生活最後のオリンピックとすることを宣言し大会に挑みました。

前回のコラムでも取り上げましたが、
神戸育ちの生粋の関西人。
明るい性格の持ち主で、常に周囲に笑顔をもたらしていました。
日本チームでも常に話題の中心におり、
メディアの対応ではメディア側に笑いが起こるなど、
その明るさは多くの日本人にも届いていたと思います。
団体で銀メダルを獲得し、その後は個人戦へと移るスケジュールで、
女子シングルはフィギュアスケートでは最終種目になっていました。
通常、試合前に他の選手の応援に駆けつけることは少ないと思いますが、
坂本選手は日本選手の応援に連日駆けつけ、スタンドから声援を送っていました。

ところが、普段ミスの少ない男子シングルの鍵山選手が男子フリーでミスを犯したり、
団体でもミスがなく完璧な演技をしていたりくりゅうペアも、
ショートプログラムでまさかのミスを犯しました。
スタンドから声援を送っていた坂本選手は、
普段ミスを犯さないこの選手たちを見て、
オリンピックという場では普段完璧な選手たちでもミスがある。
私もそうなってしまうかも。。。とマイナスな思考に陥っていました。
ショートプログラムでミスを犯し、5位発進となってりくりゅうペア。
普段犯さないミスで大きなショックを受けた木原龍一選手は、
その日もフリーがある翌日も、涙を流し続けるほど、精神的に不安定な状態でした。
ですが、フリーの演技は完璧で、世界最高点を叩き出し、劇的な逆転金メダルを獲得。
諦めなければ叶うということを体現されました。

そして試合後のインタビューで、翌日から演技が始まる坂本選手に、
「かおちゃん(坂本選手の愛称)の分の厄払いを僕たちがしたから、
かおちゃんは絶対大丈夫だよ。」とエールを送りました。
この言葉がどれほど坂本選手に影響があったかは定かではありませんが、
坂本選手は銀メダルを獲得しました。
坂本選手本人は、少しのミスがなければ金メダルもあったと悔し涙でしたが、
前々日の不安定な精神状態だとメダルの可能性も薄かったかもしれません。

努力を積み重ね、いくつもの修羅場を超えてきた一流のアスリートでさえ、
他の選手のミスに視点が集まり、マイナス思考に嵌ることがあります。
その思考を自分の中だけに溜めず、素直にアウトプットし、
それを聞きつけた仲間がプラス思考になるようエールを送る。
ミスの連鎖が自らの身にも降りかかると恐怖心が大きくなる受け取り方から、
あなたの分の厄は僕たちが受け取って、それを取り払ったから大丈夫だよ、
という受け取り方。
物事の受け取り方、受け止め方一つで、その後の行動、成果は大きく変わりますね。
生きていると落ち込むこともあるかと思いますが、
その時にマイナスの一面だけにフォーカスせず、
違う角度から物事を捉えられるように工夫していきたいと思います。

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