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高松 秀樹

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第265回:現場力が育てた売上トップブランド

2026/01/10

2023年、カップ焼きそば市場で売上1位に輝いたのは、「U.F.O.」や「一平ちゃん」といった定番ブランドではなく、東洋水産の「マルちゃん ごつ盛り ソース焼そば」でした。

大々的な広告展開は見られず、価格の手頃さと大容量という実用的な価値で、静かに生活者の支持を集めたこのヒット商品。
その背景には、東洋水産の「企業文化」が色濃く表れています。

同社には、現場の声を重視し、派手さよりも堅実さを尊ぶ風土があります。
「ごつ盛り」シリーズも、そうした文化から自然に生まれた存在です。
華やかに“主役”を狙うのではなく、確かな品質と満足感を着実に提供することで、“選ばれる”ブランドとしての地位を築いてきました。

さらに東洋水産は、ナショナルブランド(NB)に加え、セブン‐イレブンやファミリーマートといった大手コンビニ向けに、プライベートブランド(PB)のカップ焼きそばも手がけています。

PB商品は自社ブランドと競合するリスクを伴いますが、返品リスクがなく、安定した発注が見込めるため、売上基盤の強化につながっています。

NBとPBの両輪で市場にアプローチするこの姿勢は、単なる受託生産ではありません。
流通や消費者行動への深い理解に基づいた、戦略的なチャネル設計と言えるでしょう。

「ごつ盛り」が市場の頂点に立った背景には、企業文化として根づいた“現場力”と“柔軟な対応力”があります。
ブランド戦略を支えるのは、戦術の巧拙だけではなく、それを一貫して支える組織の文化そのものなのであります。

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