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長谷川 満

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第260回 経験 × 価値観の統合視点:キャリア採用の落とし穴と向き合う

2025/12/03

中小企業の採用活動において、
即戦力を求めて
キャリア採用を選択する企業は
多くあります。


社会人としての
マナーや業務経験が
備わっているため、
育成コストを抑えられる点は
確かに大きな魅力です。


しかし、
この“経験”が
時に組織づくりの
妨げになるケースがあることは、
意外と見落とされがちです。


実際、私のクライアント先でも、
過去にこんな出来事がありました。


ある地方の不動産会社が、
前職で高い成果を上げた
支店長候補を採用しました。


会社としても
大きな期待を寄せていたのですが、
本人は
これまでのやり方に強くこだわり、
新しい会社の方針や文化に
なかなか馴染めませんでした。


能力は高いのに、
経験ゆえの固定観念が
行動を制限してしまったのです。


キャリア採用で起きやすい
問題の本質は、
「経験」と「価値観」が
セットで考えてしまう点にあります。


スキルだけでなく、
その人が培ってきた
判断基準や働き方の癖までも
一緒に入ってくるため、
組織文化と合わない場合、
摩擦やズレを生みやすくなります。


一方で、
新卒社員は経験こそありませんが、
会社の理念や方針を
素直に吸収し、
価値観を会社とすり合わせながら
成長していく柔軟性があります。


そのため、
「育成に時間がかかる」
と言われつつも、
結果的には
早く戦力化することも
少なくありません。


実際、私の前職や関わった企業で
新卒採用を始めると
早く戦力化しております。


これが、
多くの企業が
手間をかけてでも
新卒採用に取り組む理由です。


とはいえ、
今まで新卒採用をしていない企業が、
急に新卒採用へ舵を切るのは
現実的ではありません。


まずはキャリア採用で
人手を補いながら、
徐々に新卒育成の仕組みを整えていくことが
現実的なステップとなります。


では、
キャリア採用で失敗しないためには
何が重要なのでしょうか?


ポイントは、
「経験」や「スキル」だけで判断しないことです。


応募者の経歴やスキル以上に、
「自社の価値観と合うか?」
「理念や方針に共感できるか?」
を丁寧に見極めること。


どれだけ能力が高くても、
価値観が合わなければ
組織力は上がりません。


経験 × 価値観。


この二つのバランスが整ってこそ、
キャリア採用の力は
最大化されます。


経歴の華やかさに目を奪われるのではなく、
「自社で活躍できる人材とは何か」
という視点を採用の中心に据えることが、
これからの企業に求められているのです。



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